昨日・今日の連載でお伝えしている秋田竿燈まつり。
【昨日の記事の内容】
本日の記事では、
3.昼と夜の魅力
についてお伝えします!
3.昼と夜の魅力
昨日の記事で、稲穂に見立てた竿燈(燈(あかり)を付けた竿(さお))を持ってお囃子とともに秋田市中心部を練り歩くのが秋田竿燈まつりだとご紹介しましたが、そこには「昼竿燈」と「夜本番」の2つの顔があります。
「昼竿燈(ひるかんとう)」では、昼間の明るい時間に妙技会という、差し手の技を競う大会が開かれます。
妙技会は8月4日・5日・6日の日中に行われ、てのひらで支えた竿燈を高々と掲げる「平手」や、額に載せる技、肩に載せる技、腰に載せる技など、差し手たちが鮮やかに披露していきます。
竿燈の種類は大きさで分けられ、小さいほうから「幼若(ようわか)」、「小若(こわか)」、「中若(ちゅうわか)」、「大若(おおわか)」の4種類。
もっとも大きいタイプの「大若」は長さ12メートル、46個の提灯が付けられ、重さは50キロ、もっとも小さい「幼若」は子ども用ですがそれでも約5キロあります。
とにかく力が必要だと思われがちですが、実際は「力4分、技6分」という言葉があって、つまり6割は技。
力より技の方がより重要であることが、現地に行って間近で見ているとよくわかります。
日中なので、技だけでなく差し手の表情もよく見えるのも、おすすめポイントの1つ。
ただ…、やっぱり私の一番お気に入りは、夜の竿燈です!
秋田竿燈まつりの期間中(8月3日~6日)は毎晩、明かりの灯った280本もの竿燈が、「竿燈大通り」と呼ばれる通りを練り歩きます。
これが「夜本番」です。
横に寝かせた状態で大通りに運ばれてきた280本の"稲穂"が、時間を迎えて一斉に立ち上がる瞬間は、ハッとするほどの美しさ。
一度見たら忘れられません。
竿(さお)と燈(あかり)というシンプルな形に凝縮された、伝統の美です。
大通りに勢揃いした竿燈は、往復約1.6キロの道のりを練り歩く間、「ドッコイショー、ドッコイショー」の掛け声とともに、差し手の肩、腰、額を移動しながら巧妙に操られていきます。
そして、夜の闇にゆらめく竿燈を引き立てる名役者が、お囃子です。
笛と太鼓で構成されるお囃子に、地元では小学生のうちから参加します。
私が現地に見に行った際は、たまたま居合わせた地元の方が、「お囃子の太鼓、昔は男の子しかできなかったんだけど、今は女の子もできるのよ」なんて教えてくれました。
竿燈が入場するときの「流し囃子」と、竿燈が演技をしているときの「本囃子」があり、いずれも秋田の歴史に深く関わる伝統的なお囃子の流れを汲んでいると言われています。
空に響くお囃子の音とともに夜が更けていき、祭りの終わりには「ふれあいの時間」と言って差し手と一緒に写真撮影を楽しんだり竿燈体験をしたり、また「戻り竿燈」と言って差し手たちが太鼓と笛の音とともに町内に戻っていく(そしてその途中で再び竿燈を上げたりもする)など、最後の最後まで祭りの空気を味わうことができます。
まるで、短い夏の夜を惜しむかのうように。
なお、「昼竿燈」はJR秋田駅から徒歩15分ほど西に離れた「エリアなかいち」という広場、そして「夜竿燈」の会場である「竿燈大通り」はさらに5分ほど西に離れていて、駅からやや時間がかかります。
来年以降、おでかけの際は時間に余裕を持つのがおすすめ。
また、大通りはさほど広くなく、竿燈をしっかり見たい方はあらかじめ有料観覧席を取っておくのがおすすめです。
さて、明日の記事では盛岡さんさ踊りが登場します!