あまりにも暑すぎる毎日ですが、例年であれば東北は夏祭りによってもっとアツくなっていたはず…!
ということで、2020年は中止となってしまった東北各地の夏祭りたちをご紹介するシリーズ。
昨日・今日は、夏の山形を威勢よく盛り上げる山形花笠まつりについてお伝えしています。
1.土を固める作業から始まった!?花笠音頭(昨日の記事)
紅花をイメージした赤い花をあしらった花笠をかぶり、1万人を超える踊り手による花笠音頭の群舞が披露される山形花笠まつり。
今日の記事では、祭りで歌い踊られる花笠音頭の歌詞に注目します!
2.編み込まれた歴史…誇りの花・紅花
山形花笠まつりで踊る花笠音頭の歌詞には、山形県内の様々な地名や特産物が登場します。
現在の花笠音頭の歌詞には、従来からあった2つのフレーズに、 公募で集まった13のフレーズを合わせ、15のフレーズが組み込まれています。
それぞれのフレーズには、信仰の対象であり祭り先頭の山車にも象られている蔵王権現(ざおうごんげん)をはじめ、各地の名湯や名山、四季折々の花の名所や、さらにはぶどう・りんご・さくらんぼなどの特産品などが勢揃い。
さながら観光パンフレットのような歌詞です。
そして、
酒田港へ紅花積んで流す舟唄最上川
花笠のモチーフである紅花の歌詞も。
紅花は、江戸時代を中心に染料や化粧品の材料として高値で取引された山形特産の花。
内陸部で多く生産されたのち、日本有数の大河川かつ急流でもある最上川を舟で下流へ運ばれ、酒田の港から日本海へ出ました。
「北廻り航路」と呼ばれる日本海ルートで大阪湾へ向かった紅花は、大阪や京都の商人に買い取られます。
山形の商人は紅花の取引によって莫大な財産を築いたとされ、さらに大阪湾から山形へ帰る船が塩やお茶などとともに京都の工芸品などを持ち帰ったことから、山形県内には今も京風の雛人形をはじめとした京文化が伝わっています。
当時「米の100倍、金の10倍」とも言われる値が付けられ、都の文化を山形にもたらした紅花を、誇りとして笠にあしらい踊る花笠音頭。
「気楽に楽しく」参加できるのが特徴の山形花笠まつりにもまた、そんな凛とした歴史があります。
ちなみに、東北の春夏秋冬の祭りをひたすら駆け巡っている私ですが、実は山形花笠まつりについては、祭り本番の踊りを現地で見ることができていません…。
私が見たことがあるのは、六魂祭(現在の「東北絆まつり」、また別の記事で詳説予定)で披露された花笠踊りのみ。
(そのため、今回の記事には六魂祭(2015年秋田開催)の写真が含まれています。)
いずれちゃんと見てみたい…、そんな思いも込めて今回の記事を書きました。
さて、次回は仙台七夕まつり。
私がかつて3年間暮らした杜の都の夏に欠かせない祭りを特集します!