一昨日から、東北三大祭りの1つである仙台七夕まつりを連載でご紹介しています。
2020年は中止になってしまったものの、その魅力を多くの人に知ってもらいたくて、旧暦7月7日(暦では伝統的七夕と呼びます)に当たる一昨日に連載スタート。
今日はその最終回です!
3."紙"に込める思い
連載初回にご紹介した笹飾りをよく見ると、5本の吹き流し+くす玉の他にも、何やら吊り下がっている飾りがあることがわかります。
着物のような形や巾着のような形(私は最初、キティちゃんの顔の形みたいだなと思いましたが)をしていて、なんだか可愛らしいですね!
これらは「七つ飾り」と呼ばれ、仙台七夕に特有の飾りです。
名前の通り7種類あり、それぞれ次のような願いが込められています。
短冊(たんざく):学問や書道の上達
紙衣(かみごろも):病気や災難の厄除け、裁縫の上達
折鶴(おりづる):家内安全、健康長寿
巾着(きんちゃく):(財布に見立てられることから)商売繁盛
投網(とあみ):豊漁、豊作
屑篭(くずかご):清潔、倹約
吹き流し(ふきながし):織姫の織糸
7つすべて飾ることが基本ですが、いくつか選んで飾ることもあります。
意味がわかると、また一段と違った見え方がしてくるのではないでしょうか。
現地に行った際にはぜひ七つ飾りにも注目して、その祈りに思いを馳せてみてください!
自分自身の技芸の上達から家族の幸せ、そして地域の豊かさにいたるまで、1つ1つ願いを込めて飾られる"紙"たち。
そして、7つ飾りだけではありません。
笹飾りのメインであるくす玉と吹き流しもまた"紙"。
祭り期間中に雨が降る年は、アーケードのない通りの商店では苦労してビニールの覆いをかける必要があるのに、それでも"紙"にこだわって、それも最高級の和紙を使い続ける商店も多くあります。
そのくらい大切な存在である七夕、そしてそれを支える、日本の伝統的ツールである"紙"。
仙台にとっての七夕は、ただ心浮き立つお祭りであるだけでなく、強い祈りが込められた"生き続ける伝統"なのです。
今日まで3日間かけて、仙台七夕まつりについてお伝えしてきました。
2020年は中止になってしまったからこそ、今ぜひ知ってほしい。
そして、祭りが復活した日には、ぜひ現地に足を運んでほしい。
そう願ってやみません。
さて、明日からはシリーズ最終章・福島わらじまつりです!