みちなるみちのく

東北180市町村を回った筆者が、あなたの知らない東北(みちのく)をご紹介します。

400年愛される絢爛豪華な七夕 —— 仙台七夕まつり③ "紙"に込めた思い

一昨日から、東北三大祭りの1つである仙台七夕まつりを連載でご紹介しています。

2020年は中止になってしまったものの、その魅力を多くの人に知ってもらいたくて、旧暦7月7日(暦では伝統的七夕と呼びます)に当たる一昨日に連載スタート。

今日はその最終回です!

 

1.美しすぎる笹飾りたち(一昨日の記事)

megumin1120.hatenablog.com

2・仙台七夕の長い長い歴史(昨日の記事)

megumin1120.hatenablog.com

3."紙"に込める思い(今日の記事) 

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四季折々の花が描かれた笹飾り。約3000本の笹飾りは百花繚乱のごとく、盛夏の杜の都で美しさを競い合う。

                3."紙"に込める思い

連載初回にご紹介した笹飾りをよく見ると、5本の吹き流し+くす玉の他にも、何やら吊り下がっている飾りがあることがわかります。 

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一昨日の記事に掲載した写真。丸で囲ったところに後述する「紙衣」と「巾着」が見える。

着物のような形巾着のような形(私は最初、キティちゃんの顔の形みたいだなと思いましたが)をしていて、なんだか可愛らしいですね!

 

これらは「七つ飾り」と呼ばれ、仙台七夕に特有の飾りです。

名前の通り7種類あり、それぞれ次のような願いが込められています。

短冊(たんざく):学問や書道の上達
紙衣(かみごろも):病気や災難の厄除け、裁縫の上達
折鶴(おりづる):家内安全、健康長寿
巾着(きんちゃく):(財布に見立てられることから)商売繁盛
投網(とあみ):豊漁、豊作
屑篭(くずかご):清潔、倹約
吹き流し(ふきながし):織姫の織糸

7つすべて飾ることが基本ですが、いくつか選んで飾ることもあります。

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こちらの写真では、手前から「屑籠」、「投網」、「巾着」が飾られている。

意味がわかると、また一段と違った見え方がしてくるのではないでしょうか。

現地に行った際にはぜひ七つ飾りにも注目して、その祈りに思いを馳せてみてください!

 

自分自身の技芸の上達から家族の幸せ、そして地域の豊かさにいたるまで、1つ1つ願いを込めて飾られる"紙"たち。

そして、7つ飾りだけではありません。

笹飾りのメインであるくす玉吹き流しもまた"紙"

祭り期間中にが降る年は、アーケードのない通りの商店では苦労してビニールの覆いをかける必要があるのに、それでも"紙"にこだわって、それも最高級の和紙を使い続ける商店も多くあります。

そのくらい大切な存在である七夕、そしてそれを支える、日本の伝統的ツールである"紙"

仙台にとっての七夕は、ただ心浮き立つお祭りであるだけでなく、強い祈りが込められた"生き続ける伝統"なのです。

 

今日まで3日間かけて、仙台七夕まつりについてお伝えしてきました。

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くす玉部分がこけしになっている可愛らしい笹飾り。"紙"が見せる表情はどこか温かみを持つ。

2020年は中止になってしまったからこそ、今ぜひ知ってほしい

そして、祭りが復活した日には、ぜひ現地に足を運んでほしい

そう願ってやみません。

 

さて、明日からはシリーズ最終章福島わらじまつりです!