この場所を見て、「どこかに似てる!」と思いませんか?
誰も行ったことはないはずなのに、日本人の多くが思い出せる、そんな場所。
そう、「千と千尋の神隠し」に出てくる湯屋「油屋」にそっくりなんです!
一般的に「似ている」とか「モデルではないか」と言われているのは、台湾の九份(きゅうふん)だったり、
あるいは国内だと愛媛県松山市にある道後温泉本館だったりしますが、
個人的には冒頭の藤三旅館(ふじさんりょかん)が、よく知られていないわりには似すぎている!と思っています。
建物の奥から、今にも湯婆婆(ゆばーば)が出てきそう…!
(鉛温泉藤三旅館 公式Facebookより)
藤三旅館は、岩手県出身の童話作家・宮沢賢治の遠い親戚に当たる家らしく、賢治自身もたびたび泊まりに来ていたという記録があります。
(私が訪れたのは2015年7月ごろでしたが、当時使っていたデジカメは今のカメラの3代前くらいのもので、残念ながらちゃんと写真が残っておらず…、旅館の公式Facebookから写真を引用させていただきご紹介します!)
旅館のお風呂は鉛温泉(なまりおんせん)という天然温泉ですが、賢治の童話「なめとこ山の熊」には、傷が治る「鉛の湯」という温泉が登場し、そのモデルになっていると考えられています。
ほかにも様々な小説や映画の舞台になってきたという藤三旅館。
この記事のタイトルにもありますが、ここには「日本一深い自噴天然岩風呂」があります。
(鉛温泉藤三旅館 公式Facebookより)
天然の岩を手掘りでくり抜き作ったという浴槽は、深さ平均1.25メートル。
源泉100%のお湯に立ったまま入り上を見上げると、天井は3階まで吹き抜けという解放感。
混浴ですが女性専用の時間があるので安心して入ることができます。
私は夏の風景しか見たことがありませんが、冬に雪が積もると、はたまた別世界に。
(鉛温泉藤三旅館 公式Facebookより)
千と千尋の世界とはまた別の物語に迷い込んだような光景です。
夏景色も冬景色も絵のように美しいみちのく。
息を呑むような風景と質の良いお湯が、きっとあなたの心と体を癒してくれます!