印刷所に入れる追加の原稿と図版に手いっぱいになっていたらまたもやブログ更新がおろそかになってしまいました…、今回の作業が終わると年明けまで一旦少し楽になるので、また更新しやすくなりそうです!
そうこうしている間に先週から急激に寒くなって、日本海側や山沿いの地域を中心に大変な積雪になっていたところもありました。
東北でも大雪が原因で亡くなった人がいて、やはりどんなに雪に慣れている地域でも、雪から命を守る工夫が常に必要だと改めて感じています。
そして、テレビやネットのニュースでは「年越し寒波」がやって来るのではないかと報じられていて、不安を感じている人もいるかと思います。
今日は、なぜ「年越し寒波」がやって来ると言えるのか、そして、気温の変動を前もって知るためのツールについて解説します。
まず、報道各社が「年越し寒波」の根拠にしている資料がこちら。
気象庁の早期天候情報です。
目先1~2週間の間に、平年と比べて著しく気温が低くなる(または高くなる)と予想されるときに、気象庁が発表する情報です。
今回の場合だと、上の地図で青くなっているところ(沖縄・奄美以外の全国)では、12月29日から1週間程度の期間、平年よりかなり気温が低くなる可能性が高いことを示しています。
この情報は、日本海側の地域に対しては、降雪量についても(著しく多いと予想される際に)発表されます。
そして実際、現在は12月29日からの約1週間について、降雪量が平年よりかなり多くなる予想が示されています。
やはり全国的に雪の量が多くなる予想になっていて、年末年始には寒さと雪に早めの警戒が必要なことがわかります。
実は気象庁では、1ヶ月予報や3ヶ月予報といった情報を随時発表していて、その中に気温や降雪量の予報も入っているので、この早期天候情報という情報は不要だと思われる人もいるかもしれません。
もちろん、早期天候情報は1ヶ月予報などと比べ、より直前に発表されるので、予報の確度が高いという利点はありますが、存在意義はそれだけではありません。
冬の日本列島に極端な寒さをもたらす「北極振動」という現象を前もって予想することが非常に難しいため、1ヶ月予報では北極振動の影響を反映できないのです。
しかも、先週の大雪のような、人々の生活や社会に大きな影響を及ぼすような寒波は、北極振動が原因になっていることがかなり多いのです。
つまり、寒さや雪による被害を最小限にするためには、早期天候情報の活用が必須ということになります。
なお、早期天候情報だけだと「平年よりかなり気温が低い(高い)」ということはわかっても、具体的に何℃くらいになるのかはわからないため、2週間気温予報を合わせて活用するのがおすすめです。
これは2019年に始まった非常に便利な情報で、週間予報よりもさらに先の気温傾向がわかります。
さすがにピンポイントで何℃、という予報は出ませんが、5日間平均という形で数字が示され、平年と比べてどのくらい高いか低いかがカラー表示されて一目でわかるようになっています。
(5日間平均は、たとえば1月1日の欄なら、12月30日~1月3日の5日間の予想気温を平均した数字が書かれている。)
www.data.jma.go.jp
毎日午後2時30分に更新される情報で、自分の住んでいる都道府県を選べば、未来の予報がわかるだけでなく、過去一週間の実況値と比べてどのくらい高いか低いかも見ることができます。
ちなみに、上の東京の例でいうと、明日12月23日から1週間程度は気温が平年より高い予想なのに、その先の12月30日以降は平年を下回る予想になっています。
つまり、外でする作業や、冷たい水を使う大掃除などは、これから1週間以内にやっておかないと、極寒の中で作業することなってしまうというのがよくわかります。
このように、目先1~2週間の予定を合理的に決めることができるのも、2週間気温予報の有り難い長所。
こんなに便利な情報が無料でいつでも手に入るなんて、5年10年前には信じられなかったことです。
今年の残すところ1週間余り、手に入る情報を100%活用して、より良い年を迎えるための準備をしていきましょう!