今週のお題「大人になったなと感じるとき」ですが、年齢とともに、季節の味、旬の味が一層美味しく感じるようになったなぁと思います。
その季節にしか食べられないもの、その季節が始まって最初に食べるもの、そういったものに、子どもの頃はあまり見向きもせず価値を感じていなかったのに、今となってはとても尊いものと感じるのです。
仙台に住んでいた頃、毎年寒くなってくると楽しみにしていたのが、ほっき飯。
冷たい海に住むほっき貝をタレでじっくり煮込み、その煮汁でご飯を炊いた、宮城の郷土料理です。
県内でも特に、南部沿岸の亘理町(わたりちょう)や山元町(やまもとちょう)でよく食べられています。
ほっき貝はほとんどが北海道と東北で水揚げされ、関東など他の地域で手に入るものは、加熱されたピンク色のもの。
生のほっき貝が手に入る地域は限られているので、ほっき貝を生の状態から煮込んで作るほっき飯は、産地ならではの贅沢です。
以前もご紹介した、私の大好きな宮城のお店「わたり あら浜」では毎年、このほっき飯を含む5つの名物料理を季節ごとに出していて、「五季飯」と呼んでいます。
今の時期は、かき飯(12月中旬~3月上旬)と、上でご紹介したほっき飯(12月中旬~4月下旬)の2つが食べられます。
(「わたり あら浜」公式Facebookより)
そして、春から初夏にかけては銀鮭はらこ飯(4月上旬~7月上旬)、真夏にはあなごせいろ(7月上旬~8月下旬)、秋になると以前もご紹介したはらこ飯(9月上旬~12月上旬)と、あわせて5つの季節の贅沢。
それぞれの季節ならではの味、それぞれの季節にしか味わえない贅沢。
そういった味が、大人になると心身にしみるように感じるのは、様々な経験の中で、物事の移ろいや儚さを、実感するようになったからでしょうか。
ちなみに、「あら浜」の五季飯は、お取り寄せすることができます!
もちろん、現地でいただくのとまったく同じ味…とは言えないものの、なかなか遠出できないこの時期、おうちで”季節の贅沢”はいかが?