みちなるみちのく

東北180市町村を回った筆者が、あなたの知らない東北(みちのく)をご紹介します。

想定通りにいかないことの喩え 今日は二十四節気の「大寒」

今日1月20日二十四節気の一つ「大寒(だいかん)」

暦の上では一年でもっとも寒さの厳しい頃とされています。

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1月20日当日のことだけを「大寒」と呼ぶこともあれば、そこから始まる約2週間(立春全日まで)の期間を「大寒」と呼ぶこともある。

二十四節気は中国から伝わってきた古い暦で、そもそも外国から入ってきたものだということと、旧暦に合わせたものなので、基本的には現代の暦にあまり合っていない内容が多いですが(立春が「春の始まり」とはいえ2月上旬に春なんて感じられないように)、大寒は不思議と現在の季節進行と合致しています。

実際、今朝は全国的に冷え込んでいて、東北や北海道では主要都市でもマイナス10℃前後になったところがありましたし、日本の気象観測史上、歴代最低の気温であるマイナス41度(旭川市)1902年の1月25日、つまりちょうど今ぐらいの時期に記録されています。

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日本最低記録を観測した当時の旭川地方気象台(現在の旭川市6条通10丁目)。画像:旭川地方気象台hPより。

とはいえ、自然のことなのでいつも同じように季節が進むわけではなく、年によっては「小寒(しょうかん」(1月6日頃)の方が寒くて大寒には気温が上がっていることも。

これを「小寒の氷大寒に解く」と言いいます。

字面通りの意味は、小寒の頃に張っていた氷が大寒の頃に解ける、つまり小寒より大寒が暖かい、ということですが、「物事が必ずしも順序通りにいかないこと」「思っていた通りにはいかないこと」の喩えとして使われます。

江戸時代のことわざ辞典にはすでに載っていたという、日本人との付き合いが長いフレーズと言えます。

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物事の移り行く姿を氷と水に喩えるあたりが、何とも日本人らしい。

大寒には、地域ごとに様々なものを食べたり実践したりする風習があります。

剣道や空手の寒稽古(かんげいこ)をしたり、寒中水泳をしたり、滝業などの寒施行(かんせぎょう)をしたり。

あるいは寒さで水温が低くなり雑菌が少なくなる、つまり腐りにくいということで、昔は大寒に汲んだ水をお酒などの仕込み水に使う風習もありました。

食べ物でもっとも知られるのは「大寒卵」でしょうか。

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もともと健康のために食べるはずだった「大寒卵」が金運アップのアイテムになったのは、卵の黄身の色からの連想だろうか。

もともとニワトリの産卵ピークは春~初夏なので昔は冬に手に入る卵は貴重だったからとか、寒さでニワトリが生む卵の個数が少なくなるため卵1つ1つに含まれる栄養が多くなり大寒に産む卵は栄養価が高いとか、謂れは複数ありますが、とにかく栄養価の高い貴重な卵というところから、今や健康運や金運がアップする縁起物と考えられている地域が多くなっています。

ちなみに現代の養鶏場では、年間を通じて安定した品質の卵を出荷できるよう管理されているので、産んだ日によって栄養価が変わるということはありません。

そのほか、大寒の縁起物として寒ブリなど様々なものを食べる地域が存在し、寒さの辛いこの時期をなんとかして乗り切ろうという、昔の人々の知恵が垣間見られるようです。

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地域により「大寒」のイメージは様々。

なお、大寒の次の二十四節気は、立春

以前の記事でも触れたことがありますが、今年は124年ぶりに立春が2月3日になります(普段は2月4日)。

春がことさら待ち遠しい東北では、立春に合わせた伝統行事が多く存在し、文化的に重要とされてきた時期でもあります。

今年はなかなか直接行って参加することは難しいですが、このブログでも紹介していきたいと思いますので、お楽しみに!