みちなるみちのく

東北180市町村を回った筆者が、あなたの知らない東北(みちのく)をご紹介します。

とちおとめに負けない!「もういっこ」食べたくなる宮城オリジナルいちご

いちごと言えば、とちおとめ、紅ほっぺ、あまおう…と、世代や地域によって思い浮かべる品種は様々かと思いますが、それもそのはず、日本には約300品種ものいちごが存在します。

世界の品種の約半分日本のいちごだと言われるほど、日本は"いちご大国"

今週のお題である「ふるさと納税」の返礼品でも、いちごはシャインマスカットとともに不動の人気を誇るフルーツですが、東北にはいちごを語る上で外せない「もういっこ」という大事な品種があります。

味よし色よし形よし、そして何より、寒さに強い

今日はみちのくいちご事情に迫ります!

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宮城県の研究所で誕生したいちご「もういっこ」

東北で最もいちごの生産が盛んな宮城県ではもともと、とちおとめさちのかといった品種が栽培されていました。

ただ、とちおとめは栃木県や千葉県など主に関東で栽培される品種、また、さちのか九州を中心に栽培されていて、東北のような寒い土地で作付されることを前提としていません。

農家では長年、春先にいちごの実が小さくなってしまう現象や、うどんこ病をはじめとする病気に悩まされてきました。

単純に寒さに強い品種を導入することは難しくありませんが、美味しくなければ市場で戦えません

そこで1990年代、全国各地でいちごの新品種開発の機運が高まる中で県の研究所が交配に成功したのが、「もういっこ」

その後、産地での適応性などを検討し選抜され2008年に品種登録されたこのいちごは、大きくてきれいな円錐形の実ができやすく、病気に強くて寒くてもしっかり成長する、まさに優等生でした。

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美味しくて強い「もういっこ」は宮城のいちご生産の救世主となった。

全国的に有名なとちおとめに比べると糖度はやや劣るものの、とちおとめより酸味が少ない分、糖酸比の面で優れるため、総合的な味の良さでは負けません

私が以前、宮城で40年ほどいちごを栽培する農家を取材した際も、「もういっこのおかげで、ようやく市場で戦えるいちごを出荷できるようになった」とおっしゃっていたのが印象的でした。

今では宮城県内で生産されるいちごの約半分を占める品種となっています。

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いちごは水耕栽培が増えてきているが、宮城県蔵王町では土で育てる農家が多い。

ちなみに名前の「もういっこ」は、「ついついもう一個食べたくなる美味しさ」という意味。

さきほど糖酸比が高いことも書きましたが、爽やかな甘さなので何個でも食べたくなります

果肉もしっかりしているので、傷みにくいという特徴もあります。

ただ農家にとって一つ困るのが、花が咲いて実が出来たあと、枯れた花が地面に落ちにくく、実の上に乗ったままになってしまいやすいこと。

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枯れたあとの花が自然に落ちずに、くっついたままになっている。

農家では「花落ちが悪い」と表現することがあり、もちろん実の上に花びらがくっついていても味や品質に何の問題もありませんが、やはり売り場で見劣りしてしまうため、農家では出荷の際に丁寧に取り除いています。

私たちがお店などで目にする、宝石のように美しくパックに収まっているいちごは、農家の方々のそんなきめ細かな気遣いによって届けられています。

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収穫されたいちごは、一つ一つ丁寧にパックに入れられて市場へ向かう。

ふるさと納税の大手サイトで「もういっこ」と検索すると、かなりの選択肢があります。

www.furusato-tax.jp

いちごはビタミンCがみかんやグレープフルーツの約2倍、またビタミンB群である葉酸ポリフェノールも豊富に含まれている、栄養価の高い果実でもあります。

たくさん買いすぎてしまった場合は、冷凍しても他のフルーツと比べて栄養価が下がりにくく、保存もしやすいのが嬉しい。

ぜひこの機会に宮城の宝石を、お取り寄せしてみては?

一度口に含んだら、「もういっこ」食べたくなること、請け合いです!