みちなるみちのく

東北180市町村を回った筆者が、あなたの知らない東北(みちのく)をご紹介します。

冬からなかなか卒業できない!豪雪地帯・酸ヶ湯に訪れる"音の春"

今週のお題「〇〇からの卒業」と言われれば、東北で冬からの卒業ほど多くの人が待ちわびるものはない、というのも過言ではありません。

1年の半分ほどを積雪状態で過ごす地域も多い東北では、四季は1年を4等分したものではなく冬は他のどの季節よりも長い季節なのです。

皆さんもご存知の、豪雪で有名な青森県の酸ヶ湯(すかゆ)では、今朝の様子もこんな感じ。

本当に、文字通り”絵のような世界”

そして積雪364cmというのは、平年と比べて極端に多いわけではありません。

ちなみに今月3日にはこんな状況でした。

背後の山が全然見えないですね…、ひなまつりの日でもこんな光景になるわけですから、"日本一の豪雪地帯"の名は伊達じゃありません。

本州のどこよりも早く冬が来て、どこよりも遅く春が来る場所。

そんな酸ヶ湯に今、訪れているのが"音の春"です。

冒頭でご紹介したツイートに

現在気温が急上昇中で枝雪がバサバサ落ちてきてます

とありましたが、この雪が落ちる音も、その一つ。

酸ヶ湯に限ったことではありませんが、一般に春は「光」「音」「気温」の3段階でやってくると、古くから言われています。

「光の春」太陽の光が増えることを指し、立春を過ぎた頃から次第に日が長くなって明るい時間が増え、また太陽の位置が高くなることで日差しも強まり、春らしい「光」を感じるようになります。

一方で、「音の春」は自然界の音から感じる春。ウグイスのさえずりや、小川のせせらぎなど、春は様々なものが動き出す「音」が聞こえてきます。

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そして最後にようやく気温も上がってきて、「気温の春」となるわけです。

関東以西に住んでいると、「光の春」から「音の春」を経て「気温の春」にいたるまでさほど時間差がないので感じにくいかもしれませんが、東北では1つ1つの段階が長くかかって、「気温の春」を今か今かと待ちわびる時間が長くなるのです。

さきほどの酸ヶ湯の、枝から雪が「バサバサ」落ちる音も、「音の春」の一つ。

これから雪国では、木々や屋根の雪が解けて地面にポタポタ落ちる音や、山の雪が解け始めて川の水量が多くなりゴボゴボと勢いづく音など、春らしい音が少しずつ増えていきます。

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そして、これから1か月くらいかけてようやくやってくる「気温の春」を象徴するのは、やはり桜の開花

東京では昨日3月14日に、史上もっとも早い観測に並ぶ記録で桜の開花が発表されましたが、みちのくでは仙台の開花予想日が3月29日青森で4月15日となっています(日本気象協会HPより)。

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長い長い冬からの"卒業"を象徴する桜の待ち遠しさは、ほかの地域の比ではありません。

桜前線は、1日に約20~30キロ北上すると言われています。
待ちに待った桜の便りが東北北部に届くまで、あと1か月ほどです。