みちなるみちのく

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虹の見つけ方 ―― 白雨と虹の密接な関係 ――

このところ全国的に大気の状態が不安定な日々が続き、今日もかなり広い範囲でどし降りの雨になりました。

典型的な"夏の夕立"で終わることもあれば、状況が悪化して安全確保が必要になる場合もあり、前者なら建物の中でやり過ごせばいいだけですが、後者の場合はとにかく"情報"が命を左右するので、テレビでもラジオでもネットでも何でもいいですから、警報や避難指示が出ていないかなど、まずは積極的に情報を取りに行ってください。

さて、今日の記事では、被害につながるわけではないけどタイミング悪く外でこれに出会ってしまったら服と靴が濡れることは覚悟しなくてはならない、そんな夏の夕立のあとに虹を見つけるコツについてです。

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昨日(2021年7月11日)の雨上がりに撮影した虹

 

1. 虹を探すべき方角

虹が出る可能性があるのは、「太陽と反対側の空」です。

というのも、虹は太陽の光が空気中の水滴によって反射させられることによって発生するためです。

雨が上がった直後というのは空気中にまだ雨粒が存在していて、レンズのような役割をします。

太陽の光(私たちの目には透明に見えますが、実際には7色の色が混ざっています)が雨粒にぶつかり、雨粒の中でそれぞれの色ごとに違う角度で反射されます。

(下図では便宜上、赤と青の2色だけ矢印を描いています。)

反射されて確度が変わった光が私たちの目に届くと、その光が最後の通ってきた道(下図で長い矢印)を逆に辿っていった延長線上に虹があるように見えるという仕組みです。

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虹が見える仕組み

このような仕組み上、虹を見ようとするには太陽を背にして立つ必要があることがわかります。

雨上がり、陽が差し始めたら、太陽と反対側を探すと虹を見つけるチャンスです。

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ネット上にあるフリー素材の例。

たまにネット上のフリー素材で、あたかも太陽と同じ方角に虹が見えるようなイラストが配布されていますが、現実にはこの配置はあり得ません

ちなみに、もし太陽と同じ方角に虹のようなものが見えたら、それは虹よりももっと珍しい、環天頂アークや環水平アークである可能性があります。

megumin1120.hatenablog.com

2. 虹を探すべき時間

虹は一日中いつでも見られるわけではありません

なぜなら、虹が発生するためには、太陽高度がある程度低くなければならないためです。

冬であれば、一日を通して太陽高度が低いため、正午でもぎりぎり虹が見えますが(それでも地平線ぎりぎりにしか見えません)、夏の場合は朝と夕方にしか虹が発生し得ないのです

 

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夏に虹が見られる時間帯

3. 夏の夕立との関係

夏は朝と夕方にしか虹が見られないということは、夏の夕立=夕方の雨が上がった直後というのは、虹を探す絶好のチャンスということになります。

夕立のようなどしゃ降りの雨のことを古くからの日本語で「白雨」ということがありますが、これは、強い雨によりあたりが白っぽくなってしまうためです。

そんな雨の中で外を移動するのは大変なので、気象庁HPなどで雨雲の動きをしっかり確認して、"白雨"を避けながら行動したいもの。

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気象庁HP「雨雲の動き」(2021年7月11日16時時点の様子)

そして、この「雨雲の動き」は1時間先まで詳しい予報が見られるので、雨上がりのタイミングを予測してちゃっかりも探しましょう。

もう一つ、夏の夕立は大粒の雨が降ることが多く、ひと粒ひと粒の雨粒が太陽の光をしっかり集めて、くっきりした虹を作りやすくなります。

夏の夕立 "白雨" と虹は、思いのほか密接な関係を持っているのです。