今日は二十四節気の一つ、秋分。昼と夜の長さが同じになる頃です。
暦の上での秋は立秋(今年は8月7日)から始まっていますが、天文学的な秋はこの秋分から始まります。
東北ではこの時期、あちこちでカラフルな花が咲きます。
春の花の時期には比較的似たような色の花が多いのに対して、秋の花は実に色とりどり。
今日は、今の時期に美しい花々に囲まれたみちのくの風景をご紹介します。
まずはやはりこちら。ヒガンバナです。
ヒガンバナは地中に芋(球根)を持って栄養を蓄える植物なので、冬の寒さが厳しい東北でも繁茂しやすく、田んぼのあぜ道や河原の土手などあちこちで見かけることができます。
公園などにまとまって咲いている場所としては、以前の記事でご紹介した船岡城址公園(宮城県柴田町)や、羽黒山公園(宮城県大崎市)がおすすめ。
羽黒山公園の方が例年、見ごろが少し遅めです。
一か所で多くの花を見たいなら、やくらいガーデン(宮城県加美町)。
(やくらいガーデン公式Facebookより。今日9月23日の様子。)
こういう広大な花畑ってよく北海道の観光地で見かけますが、本州にもあります!
季節ごとに趣向を凝らした花畑が楽しめますが、秋は特におすすめです。
他の場所と比べると少し地味かもしれませんが、松山御本丸公園(宮城県大崎市)のコスモス園も私のお気に入りの一つ。
「たかがコスモス」と思うかもしれませんが、20種類以上20万本ほどのコスモスが咲き誇る様子は圧巻です。
そして東北には秋に見ごろを迎えるひまわり畑もあります。
地区の名前を取って「ねまわりのひまわり」(宮城県松島町)と呼ばれるひまわり畑では、毎年秋に見ごろが来るように計算して種まきがされています。
地元の方々が大切に守り続けているひまわりです。
畑を彩る花、ソバの花もそろそろ見ごろ。
白くて小さな花は遠くから見ると草原に小さな星を散らしたようで、近くに田んぼがある場合はやがて黄金色に染まっていく稲穂とのコントラストも美しいです。
ソバは花も綺麗ですが、その後に収穫される秋のソバは"秋新"と呼ばれ特に香りがよいとされる旬の味。
花より団子とはよく言ったもので、秋蕎麦を食べるのが今から楽しみです。
かつて日本のどこにでも咲いていたような秋の七草も、東北では今なお守られ人々を楽しませています。
フジバカマやオミナエシは都市部ではなかなか見ることができなくなっていますが、里山の環境では今も健在。
観光のために整備された場所ではなくても、ふと癒しを与えてくれる存在です。
東北の秋は、可愛らしい花々に彩られた後に紅葉の時期を迎えると、もう冬へとまっしぐらに駆け抜けていってしまいます。
でもその短い季節の間にぎゅっと凝縮したかのように本当に多くの生き物が輝いていて、観光用に整備された場所もそうでない場所も、一年ではとても回りきれないくらい見どころが多くて贅沢な季節です。