このところ全国的に冷え込みが強まっていますが、東北の山々ではいよいよ雪の季節です。
各地の気象台では山にシーズン初の雪が積もったことを目視で確認する「初冠雪」という観測を行っていることを以前の記事でご紹介したことがありますが、山形県の月山(がっさん)では今週19日、その初冠雪が去年より6日早く観測されました。
現地のビジターセンターのHPに載っている写真では、遊歩道にしっかり雪が積もっていることがわかります。
(写真リンク:磐梯朝日国立公園 月山ビジターセンターHP)
月山は全国屈指の豪雪地帯にあり、これから冬の間、この世のものと思えないほど大量の雪が降ります。
月山にはスキー場が存在しますが、真冬には積雪が10メートルを超えてリフトも埋まってしまうので、冬はスキーができません。
代わりに、春になるとようやくスキー場開き。
例年7月頃にかけてがスキーシーズンです。
(写真リンク:磐梯朝日国立公園 月山ビジターセンターHP)
でもまだ今は標高が高いところ、だいたい山頂から3分の1くらいのところまでが冠雪する季節。
この季節には、山頂付近が雪、中腹が紅葉、そしてふもとにはまだ青い草木が残っていて、上から白・赤・緑の三色に山が染まります。
ちょうど冒頭に紹介したニュース記事の写真のような、三段染め。
この時期だけの限定色です。
(写真リンク:磐梯朝日国立公園 月山ビジターセンターHP)
月山は同じく山形県内にある湯殿山(ゆどのさん)・羽黒山(はぐろさん)とともに出羽三山(でわさんざん)と呼ばれ、古くから信仰を集めたきた霊峰でもあります。
一方で前述のように一年のかなり長い期間を雪で覆われる山でもあり、今日10月22日時点ですでに、月山を登る道路は4合目地点から上はもう閉鎖されています。
通常の登山ができるのは6~9月というかなり短い期間のみ。
登攀しようとする者を拒むような孤高の存在感が、霊峰を霊峰たらしめている一因なのかもしれません。
ちなみに東北の山々は紅葉シーズンにもっとも輝く場所が多いですが、個人的に月山は6~7月頃の高山植物が美しい時期もおすすめです。
もちろん紅葉や、その前の草紅葉もすごく綺麗ですし、前述の春スキーも名物の一つ。
霊峰としての厳然たる姿とは別に、様々な楽しみ方ができる山でもあります。
これから月山はしばらく静かな"冬"に入りますが、冬が明けたらぜひ訪れて"お気に入りの季節"を見つけてください。