みちなるみちのく

東北180市町村を回った筆者が、あなたの知らない東北(みちのく)をご紹介します。

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おうちで楽しむイマドキの芋煮と未知の村・鮫川(福島)

このブログの紹介文にあるように、私は東北の180市町村に行ったことがあるので、もちろん福島県も大部分の市町村はすでに訪れているのですが、そんな私でもまだ踏み入ったことがない村の一つに、福島県南部の鮫川村(さめがわむら)があります。

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鮫川村のパンフレットより。

鮫川村は村全体が標高500m前後の高さにあるという、文字通り(!?)孤高の土地

鉄道の駅はありませんが、車なら東京都心から3時間ほどで行くことができます。

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福島県の浜通りと中通りの間には阿武隈高地と呼ばれる標高の高い部分があり、鮫川村はその南端あたりに位置する。

この鮫川村の農家さんとオンラインでつながりながら鮫川村産の野菜を使って自宅で郷土料理「芋煮」を楽しむという、ザ・昭和な女である私にとってはハイカラすぎるイベントに先日参加してみました。

キッチハイクというイベント会社が企画しているzoomを使ったオンラインイベントで、参加者には前日までに「芋煮」の材料として鮫川村産の農産物が届けられます。

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福島県鮫川村の白坂農園さんから届いた、6種類の野菜と味噌、新米、そして鮫川村のパンフレット。

ちなみにこのうち長芋は農家さんからの「おまけ」で、芋煮には使いませんが旬の野菜なのでということでいただきました。

「芋煮」とはこのブログでも以前、触れたことがありますが、

megumin1120.hatenablog.com

東北の山形・宮城を中心とした地域で長年親しまれてきた郷土料理で、里芋やにんじん・ごぼう・ネギなどの野菜と肉(地域によって牛か豚)を味噌ベースor醤油ベースで煮込んだものです。

牛肉か豚肉か味噌味か醤油味かというのは同じ県内でも地域によって、そして場合によっては家ごとに違うこともあって、「うちの芋煮は牛肉で醤油ベース」とか、「うちは絶対こんにゃくを入れる」などなど、数多の"流派"が存在します。

今回のイベントは、農産物を送ってくれた鮫川村の白坂農園さん流「芋煮」をオンラインで教えてもらいながら作る、というもの。

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PCをつなぎながら手元で料理する、という初めての体験。

まずは材料を切って、根菜類とお肉から順に煮込んでいき、沸騰したらアクを取って、根菜類に火が通ったら他の野菜と味噌・みりんを入れてさらに煮込みます。

ちなみに今回は水800ccに対して味噌大さじ3・みりん大さじ2を入れました。

調味料が超シンプルですが、お肉と野菜からダシが沢山が出るので、意外とこれだけでもいけます。

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里芋、ネギ、大根、にんじん、ごぼう、しめじ。材料の切り方はわりと適当でもなんとかなる。

出来上がったのがこちら。

心も体も温まる至高の食べ物とは、まさにこのこと…!

シンプルだけど美味しい、冷え込む季節の体に染みわたる郷土料理です。

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今回は味噌ベース。醤油ベースの芋煮も美味しくて、甲乙つけがたい。

ちなみに本場の芋煮は外で作って食べることが多く、私が住んでいた仙台でも河原(特に広瀬川の河原が有名!)でバーベキューのような感覚で参加する人が多かったです。

だいたい9~10月になると週末は会社で、親戚で、学校の仲間で芋煮をするので、毎週芋煮になってしまうことも。

山形では地元の新聞に「芋煮天気予報」が掲載され、芋煮に最適な日が週間予報のようにわかるという、芋煮のために秋を過ごすような勢いです。

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そんな芋煮を今回はオンラインイベントという形で楽しんだわけですが、思ったより緊張せず、意外と気楽に参加することができました。

マイクは基本オフにするので自宅の物音が向こうに伝わることもないし、カメラも好きな時にオン・オフを切り替えていいので、ちょっと片づけたい時などはオフにしたりして、自分の都合に合わせることができます。

そして何より、鮫川村に行きたい欲がかなり高まりました!

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鮫川村のパンフレットより。

星が綺麗に見えることで知られるキャンプ場や、宿泊や食事のできる温泉、さらには知られざる絶景スポット

また、野菜のほかに大豆も生産が盛んで、道の駅で売られている手作りの豆腐や豆乳は毎日午前中のうちに売り切れてしまうほど人気とのこと。

東北のまだまだ知らない魅力を、これからも貪欲に探っていきたいと思います!