雪が降ると交通網は乱れ、事故やケガも増えて大変なことが多いものの、憎らしいほど美しいのもまた事実です。
上の写真は2022年1月6日、東京都内で撮影した雪の結晶です。
デジカメでズームして撮っているため、実際の結晶の大きさは1ミリあるかないかくらいです。
そんなミクロの世界の中で、こんなに整った形をしたものが空から落ちてきているなんて、自然って本当にすごい。
ちなみに上の写真のように結晶の形がわかりやすい状態で落ちてくることもありますが、多くの場合は下の写真のように色んな結晶が混ざって一緒に落ちてきます。
まさに「雪印」のような形のものもあれば、針のような細長い形のものもあります。
雪の結晶の種類は、分類の方法によっては100種類以上にものぼります。
そんなにたくさんあるにも関わらず、それらはすべて、六角形を基本とした姿をしています。
これは、水が凍るときに水素原子と酸素原子の並ぶ角度が決まっているため。
もちろん昔の人はそういった科学的なことは知らなかったと思いますが、雪の結晶がすべて六角形の組み合わせであることには気づいていたようで、雪のことを「六華」あるいは「六花」(読み方はいずれも「ろっか」または「りっか」)と呼ぶ古い言葉が残っています。
様々な形の雪の中からお気に入りの結晶を探すのも、宝探しみたいでわくわくします。
外に長時間いることになるので万全の寒さ対策が必要ではありますが…。
実は、雪がどのような形の結晶で落ちてくるかは、そのときの上空の温度と湿度によって決まります。
逆に言えば、雪の結晶をよく観察すれば、逆算的に上空の気象状況がわかるということです。
このことから、昭和に活躍した日本の物理学者・中谷宇吉郎(なかやうきちろう)は
雪は天から送られた手紙である
という言葉を残しています。
この三連休中は今まだ雪が降っている日本海側でも雪が収まる見込みですが、連休最終日の1月10日、また広い範囲で雨や雪が降り、そのあと来週後半には再び全国的に強い寒気が流れ込みそうです。
雪による事故などには気を付けつつ、ぜひミクロの美しい世界を覗き込んでみてください!