今日の日本列島は広い範囲で晴れましたが、関東では雨が降ったところも。
そういえば昨日も雨だったような……と思ってこの先の週間予報を見ると、明日以降もなんだか雨や曇りマークが多い。
なんでこんなに雨が多いの?梅雨って6月だったよね!?と思っている人もいるかもしれません。
この時期に雨や曇りの日が多くなることを、「たけのこ梅雨」と呼ぶことがあります。
もともとは伊勢(今の三重県)や伊豆(静岡県)の漁師さんの間で、この時期に吹く湿った南東風のことをそう呼んでいたとされていますが、湿った南東風は雨をもたらすので、時代とともにこの時期の雨そのものを指すようになった、と考えられています。
陰暦4月から5月にかけての、タケノコが生える時期のことなので、名前に「たけのこ」がついています。
今の暦では5月頃に当たりますが、最近は季節の進み方が前倒しになっていて、今年のように4月のうちにこういう雨や曇りの多い時期を迎えることがあり、4月でも「たけのこ梅雨」を使うことが浸透しつつあるように感じます。
今回、雨の原因になっているのは「高気圧の周りの風」です。
専門的には「縁辺流(えんぺんりゅう)」とも言います。
たとえば明日4月20日の予想天気図を見ると、日本の東の海上に高気圧の中心が予想されています。
高気圧の周辺では時計回りの風が吹くため、高気圧の縁に沿って関東や東海に吹き込む風は、海からの湿った南東風です。
この湿った風が雨雲の材料になります。
発達した低気圧があるわけではないので本降りの雨が一日続くようなことはありませんが、日差しが遮られてしとしと雨が降ったりやんだりする、まるで梅雨のような雨になるのです。
ちなみにこの天気図でもわかるように、湿った風が向かう先は関東や東海です。
そのため、冒頭に掲載した週間予報でも、関東や東海中心に雨が多い見通しになっています。
なお、「たけのこ梅雨」で気を付けるべきは、天気の変化だけではありません。
本物の梅雨であれば、つまり6月や7月なら、雨の日でもむしむしとして暑いこともありますが、まだ今の時期は雨が降ると一気に気温が下がることがよくあります。
天気とともに気温まで大きく左右して、私たちを振り回す「たけのこ梅雨」。
服装で調節したり、規則正しい食事や睡眠を取るようにして、気温のアップダウンで体調を崩さないよう気を付けましょう。