みちなるみちのく

東北180市町村を回った筆者が、あなたの知らない東北(みちのく)をご紹介します。

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実は本場!宮城の美味しい「たらこ」で至福のおうちごはん(宮城・石巻)

台風情報は昨日書いた記事とこのあと書く記事をご覧いただくとして、私の住む関東も雨がひどくて外に出られず、連休ですが外食もせず"おうちごはん"…ということで、久しぶりに美味しいお取り寄せの話題です!

たらこをふんだんに使った"おうちごはん"。みんな大好きたらこ料理!

大人も子どもも大好きな人が多い、人気食材たらこ

今回は伝統的なたらこ生産地である宮城県石巻市(いしのまきし)からのお取り寄せです。

(左)たらこ茶漬け、(右)たらこ載せ冷ややっこ

ご飯に載せても、冷ややっこに載せても、ポテトサラダに混ぜても、たらこマヨネーズソースにしても、何しても美味しい

(左)野菜サラダたらこドレッシング、(→)ズッキーニのたらこマヨ焼き

たらこと聞くと九州産、中でも福岡・博多を思い浮かべる人が多いと思います。

実際に福岡県ではたらこ・明太子の消費量はかなり多く、総務省の調査では政令指定都市別で福岡市が全国1位、2位が北九州市と、トップを占めています。

全国平均の約3倍ですから、いかに福岡県民がたらこ・明太子好きかということがよくわかります。

(総務省統計局の家計調査通信(2016年)より)

一方で生産量はというと、確かに明太子については福岡県が全国1位で約70%のシェアを誇るのですが…、

実は、たらこに限って見ると、1位が北海道、2位が宮城県と、北日本勢が九州を圧倒しています。

(農林水産省「水産物流通統計年報」より)

農林水産省「水産物流通統計年報」(2005年)を元に作成

というのも、たらこの原料であるスケソウダラ冷たい北の海に住んでいるため、もともとスケソウダラ漁が盛んだった北日本たらこの生産量が多いのです。

ここで「もともと盛んだった」という書き方をしたのには理由があります。

1970年代以降、各国が排他的経済水域を設定するようになってから、日本の船が漁をできない海域も必然的に増え、スケソウダラの卵はロシアやアメリカからの輸入に頼るしかなくなっていったのです。

もちろん現在でも東北・北海道でたらこの生産量が多いことは変わらないものの、明太子生産量ではまったく福岡圏に届かない上に、知名度でも勝てないというのが現状です。

北方の海に生息し、かつて「北転船」と呼ばれる底引き網漁が盛んだったスケソウダラ(イメージ図)。現在はアメリカやロシアからの輸入が主になっている。

では味はどうかというと、これはもう間違いなく美味しいのです。

さきほど、現在でもたらこの生産量は北日本が多く、1位は北海道・2位は宮城県と書きましたが、排他的経済水域によって漁獲量が減る前は、宮城県石巻市が市町村別で1位を誇っていました。

市内には60軒もの加工工場があって全国に食用・加工用のたらこを供給し、明太子加工用のたらことして福岡県にも出荷していたくらいです。

その「日本一の誇り」を胸に、石巻では今も職人さんがプライドをかけて美味しいたらこを生産しています。

輸入に頼るしかないスケソウダラの値段は年々高騰している上、東日本大震災の津波でも壊滅的なダメージを負った石巻のたらこ産業ですが、それでも立ち上がって生産し続け、私たちに美味しいたらこを届けてくれる人たちがいるのです。

いくら知名度で負けようとも、味で劣るわけがありません

ちなみに私が今回たらこを買ったのは、「ご当地こわけ」というお取り寄せサイトです。

www.kowake.shop

東北を中心に各地の美味しい産物を扱っていて、1セット分の量が結構多いですが、冷凍で届くので家族の人数が少なくても(何なら一人暮らしでも)時間をかけて食べきることができます。

3000~4000円の商品が多いですが、正直コスパはかなりいいと思います。

知られざる「本場」石巻のたらこ、ぜひご自宅で味わってみてください!