福島県の沿岸部・相馬市(そうまし)ではここ数年、天然トラフグの水揚げが急増しています。
東北にフグのイメージはあまりないかもしれませんが、近年は海水温の上昇もありトラフグの生息域が北へと広がっていて、福島県沖の海でもトラフグが増えてきています。
相馬市では、はえ縄漁で穫れた天然のトラフグのうち、水揚げ時期など基準を満たしたものを今年から「福とら」と名付けてブランド化。
相馬の新たな「冬の味覚」を目指しています。
写真リンク元:相馬双葉漁業協同組合
https://soso-gyokyo.jp/news/7790
西日本と比べフグを食べられる飲食店が少ないため、観光客などがどこへ行けばよいのかわかりやすいよう、今月新しいチラシも作成。
老舗の割烹からホテルまで、天然トラフグを様々な料理で味わえる8店舗が紹介されています。
実は相馬市でトラフグの水揚げが増えたのには、海水温上昇以外にも理由があります。
もともとは特産のコウナゴ漁が盛んでしたがここ数年は水揚げがなく、単価の高いトラフグに転向する漁船が増えたことも一因なのです。
このようにあまり手放しで喜べない現状はあるものの、震災後にほとんどの魚の水揚げが激減している中で、トラフグの水揚げは2018年に0.18トンだったのが2019年には2.8トン、そして2021年には暫定値で27.8トンと全国トップクラスに躍り出るほど急増していて、観光の目玉としての期待が高まっています。
最近では、もともと県外のトラフグを出していた飲食店で相馬産の「福とら」に切り替えるところも出てくるなど、地元でも盛り上がりを見せています。
近いうちにフグは「西の下関・東の相馬」と言われるようになるかもしれない。地元の期待を背負った「福とら」。
ぜひ一度現地で味わってみてください!