みちなるみちのく

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条件良好!今年最大の天体ショー「皆既月食」を見よう

明日11月8日は、日本で1年半ぶりの皆既月食が見られます。

月食が見える時刻(国立天文台HPより)。

今回、月食が始まるのは明日11月8日の18時09分

この時刻から月の一部が欠ける「部分食」が始まり、部分食開始から約1時間後の19時16分になると、皆既食」が始まります。

皆既食とは、月が"赤黒く見える"状態です。

月食が見える時刻(国立天文台HPより)。

ちなみになぜ「"皆既"月食」なのに月が消えないのか。

その理由は、「地球に大気があるから」です。

そもそも月食が起きるのは、通常は太陽の光に照らされている月が、地球の影に入ってしまって、照らされなくなるためです。

つまり、月が輝くための太陽光を、地球が邪魔している状態です。

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月食のしくみ(国立天文台HPより)。

しかし、地球の周りに大気があることで、地球の輪郭に近いところを通る太陽光が、大気によって屈折されて、一部ではありますが月に届いて照らします。

いわば、地球大気がレンズのような役割を果たすのです。

これが、皆既食の時に月が「消えない」しくみです。

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皆既月食が"赤く"見えるしくみ(国立天文台HPより)。

ちなみに、太陽光というのはもともと赤から紫までの七色の光が混ざった光ですが、地球大気の中を通過するとき、青っぽい光から優先的に散乱されてしまい、最終的に届くのは赤っぽい光が中心になります。

(これは、光の波長の違いによる性質ですが、難しい話なのでここでは割愛します。)

そのため、皆既食の間の月は、通常と同じ色ではなく、赤っぽく見えるのです。

(なお、これは朝日や夕日が赤く見えるのと同じ理由なので、興味がある人は「レイリー散乱」をキーワードに調べてみてください。)

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過去の皆既食の様子(国立天文台HPより)。

皆既食の間の月の色は毎回同じではなく、空気中のチリの量によって、オレンジに近い色のこともあれば、かなり黒っぽいこともあります。

なので過去に皆既月食を見たことがあるという人でも、ぜひまた今回も観測してみて違いを楽しんでください。

皆既食は20時42分に終わり、その後21時49分には部分食も終了します。

明日9日、月食が見られる18時頃~21時頃の時間帯は、日本の広い範囲で晴れる見込みです。

11月8日18時~21時の天気予想(気象庁HPより、2022年11月7日21時時点の表示)。

ちなみに、皆既月食と比べると観測の難易度は上がりますが、明日は天王星も欠けて見える「惑星食」が同時に起こります。

www.nao.ac.jp

双眼鏡か望遠鏡がないと見るのは難しいと思いますが、皆既月食と惑星食の同時発生は442年ぶりという珍しい偶然なので、見られる環境の方はぜひこちらも注目してください!