縄文時代の遺跡から出土したもの…と聞くと、何の形かよくわからない、古くさいものを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、福島県ではかつて、こんな形の土製品が発見されたことがあります。
【あにまる×Zoom!】郡山市内の遺跡から出土した縄文時代の土製品。手のりサイズのこの資料、丸っこい形にとんがりが二つ…。みなさんには何に見えますか?えっネコですって?やっぱりそう見えてしまいますね。でもイエネコは縄文時代ではまだ見つかっていません。縄文時代は不思議がいっぱいですね。 pic.twitter.com/ef4YDZemHJ
— 福島県立博物館【公式】 (@fukushimamuseum) October 10, 2019
これは…ネコ、ですよね。
現代人ならほとんどの人が「ネコ」と答える形をしています。
この出土物は20年以上前に福島県郡山市(こおりやまし)の遺跡で発見され、2019年に福島県立博物館(会津若松市)で展示されたことでSNSを中心に話題となったため、見覚えのある人もいるかもしれません。
この土製品に愛称をつけようと、現在管理している大安場(おおやすば)歴史公園では今、全国から愛称を募集しています。
実はこの土製品、実際にはどのように使われていたかもわからず、そもそも縄文人がこの形を「ネコ」のつもりで作ったのかさえもわかっていません。
というのも、私たちにとって親しみのあるネコはいわゆるイエネコという種類ですが縄文時代の日本にはまだいなかったと考えれ、何をモチーフにしたのかすら謎なのです。
でも、だからこそ想像の余地が残されていて、この手のひらサイズの土製品にロマンが詰まっているように思えるのです。
【あにまる×Zoom!】企画展「あにまるず」で展示中のこの資料。福島県郡山市で出土した縄文時代の土製品ですが、○○にそっくりということで大人気です。皆さんは何に見えますか??展示室入口の横に特設コーナーをご用意しました。のっぺらぼうの顔に絵を描いて貼ってみましょう! pic.twitter.com/UVQOkqAqo5
— 福島県立博物館【公式】 (@fukushimamuseum) October 22, 2019
古代の遺跡から発掘された出土物の中には、他にも様々な動物の姿をしたものがあります。
たとえはこちらは、ムササビの埴輪。
【あにまる×Zoom!】千葉県成田市の古墳時代後期の遺跡から出土したムササビのはにわ。数ある動物はにわの中でムササビを造形したものは唯一これだけです。それほど身近な動物でもなく、狩りの対象でもないムササビくん。どうしてはにわになったのでしょうか、本人も驚いているような顔をしています。 pic.twitter.com/Cx98Yohrn9
— 福島県立博物館【公式】 (@fukushimamuseum) October 18, 2019
埴輪と言えば犬や馬などの形をしたものを歴史の教科書で見た人もいると思いますが、ムササビはこの引用ツイートの通りこの1点しか見つかっていないらしく、かなり珍しいそうです。
はるか遠い昔の人々がどんな思いでこれらのものを残したのか、思いを馳せるだけでわくわくします。
大安場公園によるネコ頭形土製品の愛称募集は、今年2023年の猫の日(2月22日)まで。
応募箱に直接入れる以外にも、郵送やFAX、メールでも応募でき、一人何度でも応募できるそうです。
自分の考えたアイデアが、小さく愛らしい出土品の愛称になるかも!?というチャンス。
皆さんならどんな名前をつけますか?