みちなるみちのく

東北180市町村を回った筆者が、あなたの知らない東北(みちのく)をご紹介します。

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置くと試験にパス!?受験生をゆる~く応援するオクトパス君(宮城・南三陸町)

タコは英語でオクトパス

オクトパス、おくとぱす、置くとパス…。

急に何を言い始めたのか不安に思われそうですが、こんな可愛らしいギャグを地域の目玉商品にと奮闘する町があります。

今週のお題「試験の思い出」に合わせてお送りするのは、愛嬌たっぷりで頼もしい"受験のお供"です。

鉄製の文鎮「オクトパス君」。ついつい力が入りすぎがちな受験生をゆる~く応援して癒してくれる。

宮城県南三陸町(みなみさんりくちょう)は豊かな漁場を誇るリアス式海岸・三陸海岸の南端付近に位置し、特にタコの名産地として知られています。

「志津川(しづがわ)マダコ」「南三陸タコ」などと呼ばれるこのタコは、驚くほど旨味があるのが特徴。

タコと言えば兵庫県の明石を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、「西の明石、東の志津川」と言われるほどの実力なのです。

志津川のタコを求めて県外から買いに来る客も。

南三陸町のタコが美味しい理由は、エサにあります。

タコはエサによって味が変わる珍しい生き物ですが、ここのタコたちは豊かな南三陸の海で日々アワビホタテといった贅沢な食事をして美味しくなるのです。

美しい志津川湾には多様な生き物が生息し、ラムサール条約にも登録されている。

特産品のタコを冒頭の「置くと(試験に)パス」に掛けて、合格祈願グッズにした鉄製の文鎮「オクトパス君」が誕生したのは2009年。

しかし東日本大震災の津波で当時の工房は長されてしまいました。

それをその年の夏、「ゆめ多幸鎮」として復活させたのが現在のオクトパス君です。

タコは古来より「多幸」と掛けて幸福をもたらすものとされてきました。

廃校予定だった校舎を借りて復活し、復興のシンボルの一つでもあったオクトパス君は、今も地元を盛り上げようと活躍し続けています。

色のバリエーションのほか、様々なグッズ展開もされているオクトパス君。

南三陸町に隣接する石巻市にある道の駅「上品の郷(じょうぼんのさと)」では、合格祈願グッズ特集としてオクトパス君がずらり

宮城県内ではもはやこの時期の定番になっていますし、愛らしい姿が人気で震災から10年以上が経った今でもテレビや新聞で報道されることが多く、全国的な知名度も高まっています。

優しい表情とつぶらな瞳で、見ているとなんとなくほっこりした気持ちになれる、オクトパス君。

受験生の皆さん、癒しパワー全開のオクトパス君のエールを受け取って、リラックスしてがんばってください!