柚子といえば瀬戸内など温暖な地域で栽培されている印象が強いですが、実は東北にも柚子の産地があります。
宮城県の南部、柴田町(しばたまち)の雨乞(あまご)地区には、凍てつく冬の厳しさにも負けず力強く命をつないできた柚子があります。
「雨乞の柚子」と呼ばれるこの地区の柚子は、とにかく香りが良いのが特徴。
柚子を料理に使ったことがある人は、香りを活かすため果肉ではなく皮を刻んで使うことをご存知かと思いますが、柚子特有のあの香りは、主に皮に含まれるもの。
そして、東北のような寒さの厳しい場所では、柚子は自らの身を守るために皮を分厚くしようと成長します。
その結果、西日本など温暖な地域で育つ柚子と比べて豊かな香りを楽しめるのです。
この雨乞地区には柚子に関する言い伝えがあり、約600年前にこの地を気に入って住みついた修行中の行者が、風邪をこじらせた際に手厚く看病してもらったお礼に、南の地でもらったという柚子の種を地元の人に渡したのが「雨乞の柚子」の始まりだそうです。
雨乞地区では小高い山の中腹で柚子が作られていて、中には樹齢数百年という木も。
樹齢の長い木は高さ5メートルを超えるそうで、野生の柚子の力強さを実感します。
この雨乞の柚子は、普段は現地を直接訪れた人や電話で問い合わせがあった人に販売しているそうですが、年に一度の販売会では、現地の人と交流しながら柚子や柚子の加工品を買うことができます。
今年2023年の販売会は11月26日(日)、つまりもうすぐです!
日時:令和5年11月26日(日)9:00~14:00
場所:柴田町観光物産交流館さくらの里前駐車場特設会場
(住所:柴田町大字船岡字舘山95-1)問合せ先:柴田町観光物産協会 TEL 0224-87-7101
柴田町農政課 TEL 0224-55-2122
加工品は地域の女性が集まる団体が手作りしていて、今年は砂糖漬け、柚子味噌、柚子胡椒が出品される予定とのこと。
そのほかふるさと納税では雨乞の柚子でつくられた柚子サイダーや、同じ柴田町の別の地区で作られた柚子を使ったジェラートも返礼品として用意されています。
東北の冬にも負けず、時代を超えて大切に守られてきた雨乞の柚子。
ぜひ一度味わってみてください!