前回、前々回の記事で、見るだけで涼しくなれそうな東北各地の”涼景”をご紹介しました。
今日はそこでご紹介した場所の1つ、浄土ヶ浜についてお伝えしようと思うのですが…、私が浄土ヶ浜に出会ったのは、不思議な偶然でした。
今日から3回に分けて、その出会いについて書きたいと思います。
浄土ヶ浜は、上記の記事で書いたように、江戸時代のお坊さんが「さながら極楽浄土のごとし」と表現したことで名づけられたとされる風光明媚な浜で、現在の岩手県宮古市に位置しています。
ただ、私が人生で初めて浄土ヶ浜の名を聞いたのは、山梨県でした。
きっかけは、電車の中で偶然出会ったロシア人です。
その日私は、山梨県内で行われる研修に向かうため、富士急行線という二両編成のローカル列車に乗っていました。
富士急行線は、山梨県内をほぼ東西に走り、富士急ハイランドという遊園地や、富士山、河口湖などを結びます。
確か最初は彼の方から、「富士急ハイランドに行くにはどの駅で降りればいいのか?」と聞いてきたのだと思います。
きっと私は、ろくに話せもしない英語を使って会話を始めたのでしょう。
怖いものを知らなかった頃の話です。
彼はロシアで日本車を売る仕事をしているとのことでした。
日本には何度も来たことがあって、“よこがま”とかに行ったことがある、と言うのですが、“よこがま”が何かわからないので、とりあえず強引に話を続けます。
すると今回の旅はビジネスではなく観光だというので、どこに行くのか聞いたところ、昨日までに富山で“しんとにーず”の行事を見てきて、今日は富士急ハイランドで遊び、明日以降は富士山や浄土ヶ浜に行きたい、と言うのです。
このあたりでようやく私は、さきほどの“よこがま”が横浜のことだと気づきました。
ロシア語のアルファベットでは、英語の「H」に似た形の文字を、「G」の音で発音します。
もちろん正しく発音する人も多くいますが、英語のアルファベットと形が似ているものは混同されがちだと聞いたことがあります。
そういうわけで周回遅れで話についていく私ですが、
すでに次の謎が登場しています。
“しんとにーず”…???
(次回記事に続く)