今週のお題「好きなアイス」の中にソフトクリームが含まれるのかどうかわかりませんが、とりあえず私が「アイス」と聞いて真っ先に思い出したのがこちらです。
岩手のマルカンデパート #2015 pic.twitter.com/XgB0A8ROfB
— イチハラマコ (@cogu_maco) October 20, 2020
自分で撮った写真が見つからないのでTwitterからの引用で失礼しますが、注目すべきはその高さ。
圧巻の"10段巻き"です。
高さ25センチもあるソフトクリームなんて、そうそう出会えるものではありません。
このソフトクリームは岩手県花巻市にあった老舗デパート「マルカン百貨店」の最上階、花巻の街を見渡せる展望大食堂で提供されていたもの。
どうやって食べるの!?と思う方もいらっしゃると思いますが、あまりに大きなソフトクリームなので、そのまま食べることはできず、まさかの割り箸を使って食べます。
そんな謎な食べ方もあいまって、岩手だけでなく東北の広い範囲で知られるソフトクリームでした。
しかし2016年6月、マルカン百貨店が建物の老朽化や耐震性の問題から閉店。
長年愛された食堂も名物のソフトクリームも同時になくなってしまいました。
閉店日には仙台を含め各地でニュースになったほど、多くの人に惜しまれて閉店したマルカン百貨店。
ですが、話はここで終わりません。
それから1年弱が経った2017年2月、食堂とともにあの10段巻きソフトクリームが復活したのです。
(マルカンビル大食堂公式Facebookより)
クラウドファンディングで募った資金をもとに、旧マルカン百貨店の建物を改装して、「マルカンビル大食堂」としてあの展望大食堂が復活しました。
かつて働いていた従業員の多くを再び雇用し、メニュー数こそ往時の半分ほどでしたが(それでも70~80種類)、あの25センチのソフトクリームも復活。
昭和情緒たっぷりの食堂に、賑わいが戻りました。
青森来テェ...来テェ...
— 杉@東北の山々 (@ke_nek) July 29, 2021
岩手で立ち寄る程度なら花巻のマルカンデパートとりあえずソフトクリームが長い
カロリーたっぷりのナポリカツ☺️ pic.twitter.com/CJgNsN98AK
復活当初は1階の物販スペースと最上階の食堂のみの営業でしたが、その後おもちゃ美術館ができたり、
マルカンデパート2階の花巻おもちゃ美術館へ。子供が楽しめるおもちゃがたくさん❗️童心に帰りました。
— どもならん@明るく楽しく (@shimashima0ft) August 22, 2020
最後まで岩手を遊び尽くす貪欲な性格😃#マルカンビル#花巻市#おもちゃ美術館 pic.twitter.com/DSmXQbB1mo
レトロ可愛い駄菓子屋さんができたりと、
どんどんパワーアップ。
復活の様子は書籍にもなりました。
(マルカンビル大食堂公式Facebookより)
ちなみにダントツ人気メニューはさきほどTwitterを引用したソフトクリームとナポリカツですが、こちらのラーメンもなかなかの人気です(ちょっとだけ辛いです!)。
(マルカンビル大食堂公式Facebookより)
マルカンビル大食堂は、マルカン百貨店に親子三世代で通った花巻市民にとっての「懐かしい」場所、そして憩いの場所ではありますが、それでも花巻出身でない私も含め多くの人が「懐かしさ」を感じるのは、ほんの少し前まで日本のあちこちにこんな場所があって、私たちそれぞれがそんな場所での思い出を今も大切にしているからかもしれません。
なかなか旅行もしづらいご時世ですが、落ち着いたらぜひ、多くの人に立ち寄ってもらいたい。
きっと、皆さんの大切な思い出と共鳴する空気が、そこにはあるはずです。