今週のお題が「叫びたい!」になっていて、しかも記事の例が「叫びたいときにおすすめの場所」と来たら、東北のブログとしては仙台ハイランドのバンジージャンプについて書かないわけにはいきません。
(なぜかまだ存在する仙台ハイランド公式Facebookより)
仙台ハイランドは宮城県仙台市(当時は宮城町)に1981年オープンした遊園地で、すでに2015年8月で営業を終了しています。
約10種類のアトラクションとプール、そしてゴルフ場、サーキット場、スキー場まで併設された、仙台市民の一大レジャー施設でした。
アトラクションの中でもバンジージャンプは特に有名で、常設で3種類のバンジージャンプを楽しめるということで幾度となく話題になりました。
「バンジージャンプに3種類もあるの!?」と思われそうですが、仙台ハイランドには、縦バンジー・横バンジー・逆バンジーの3タイプが設置されていました。
縦バンジーはおそらく多くの人が普通のバンジージャンプとして想像するもので、命綱を付けて高いところから飛び降りるタイプのバンジー。
(仙台ハイランド公式Facebookより)
横バンジーはおそらく知らない人が多いのではないでしょうか。
空中に吊られた状態で横に、つまり水平方向に移動するもので、まるで鳥になったような感覚が楽しめるタイプです。
対象年齢も仙台ハイランドでは3歳以上と広く、老若男女が楽しめました。
私が調べた限りでは仙台ハイランドが閉園した後、常設で楽しめるところはありません。
逆バンジーは名前の通り、上から落ちるのではなく下から跳ね上がるように動くバンジーで、人間がパチンコ玉のように上に飛ばされる(もちろん命綱をつけて)イメージです。
籠のような乗り物に最大2人乗り込んでその籠ごと上下するようなタイプもあり、1人で乗るのが怖い人でも挑戦できそうです。
ちなみにこの仙台ハイランド、仙台市内とはいえ山形県との県境付近、つまり山に近いところにあったため、冬季はわりとしっかり雪が降ります。
(仙台ハイランド公式Facebookより)
自然が豊かすぎてカモシカが遊びにくるほどですが、ここまで積もると営業できないので例年12月頃~3月頃には冬季休業していました。
東北に住んだことがないと「1年の半分近くも休むの!?」と驚くかもしれませんが、東北の遊園地や動物園にはこういうことがよくあります。
(仙台ハイランド公式Facebookより)
多くの市民に愛された仙台ハイランドですが、2015年の閉園後に続いていたゴルフ場の営業も翌2016年には終了し、仙台っ子でも知らない人が増えてきました。
ただ、仙台ハイランドにあった観覧車とメリーゴーランドは現在、プロ野球・楽天のホームスタジアムである宮城球場(楽天生命パーク宮城)内にある遊園地(スマイルグリコパーク)に移設され、今も乗って遊ぶことができます。
仙台ハイランド跡地はどうも現在、廃墟のようになっているようですが…、実は宮城には「廃墟」の先輩がいて、今後の行方が気になるところです。
(下記は「廃墟」の先輩である化女沼(けじょぬま)レジャーランドに関する記事)
全国どこの地方でも人口が減り続ける現代、仕方のないことも多いとは思いますが、やっぱり一つ一つの場所にそれぞれ色んな人の思い出があると思うと、切ない気持ちになります。
ただ仙台ハイランドの場合は前述のように、一部ではありますがアトラクションが新しい場所で新しい役目を与えられて、もしかしたら一緒に訪れた親から子へと思い出が引き継がれることもあるのかなとも思ったり。
実は宮城では以前、閉館した「マリンピア松島水族館」から「仙台うみの杜水族館」へ多くの生き物が引き継がれたことがあり、消えてしまうものもあれば渡されるバトンもあることをよく物語っています。
皆さんの思い出に残る場所の中にも、そうやって時代を超えて生き続けるものが、あるのかもしれません。