みちなるみちのく

東北180市町村を回った筆者が、あなたの知らない東北(みちのく)をご紹介します。

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今年の夏は高気圧のカタチが鍵 ―― 次なる災害から命を守るために

昨夜(8月3日夜)から今日にかけては山形県北陸4県を中心に大雨の被害が相次ぎ、今この時間も北陸や関東を中心に土砂災害の危険度が高まっている地域があります。

土砂災害警戒情報や警報が出ている場所では少しでも安全な場所で過ごしていただきたいですし、すでに被害に遭ってしまって避難所で過ごしている方には、以前書いた水害後のための記事を参考にしていただければと思います。

megumin1120.hatenablog.com

今回の大雨では、今年の夏に特徴的と言える「高気圧のカタチ」が大きく関係しています。

日本の夏の天候を左右する「太平洋高気圧」は、日本の南からハワイ付近までの範囲をカバーする大きな大きな高気圧です。

この太平洋高気圧が日本付近へ張り出す際に、まんべんなくバランス良く張り出す場合もあれば、北側ばっかり大きく張り出す場合や、西側ばっかり大きく張り出す場合もあります。

太平洋高気圧の張り出し方のイメージ

今年の夏はまさに、太平洋高気圧が北側に張り出しやすい状態。

そしてこの太平洋高気圧の「カタチ」によって、「雨が多くなる場所」が決まります。

というのも、雨雲の材料となる暖かく湿った空気は、この高気圧の輪郭に沿って流れ込んでくるためです。

暖かく湿った空気の流れ込み(矢印)と、雨が降りやすい場所のイメージ

今夏のように太平洋高気圧が北へ張り出している場合は、上図のように北陸や東北日本海側で大雨になりやすい、ということになります。

まさに昨夜から記録的な大雨になっている山形・新潟を中心とした地域で、たとえ今回の一連の大雨が終わっても、その後も引き続き雨が降りやすいことがわかります。

ちなみに、この矢印で示された「暖かく湿った空気の通り道」は、台風発生時には「台風の通り道」にもなりやすいので、今後秋まで続く台風シーズンの間も注意が必要になります。

 

災害というのはまだ危険度が高まる前であれば、「避難所に行ってください」とか「危険な場所から離れるために移動してください」というわかりやすいアドバイスが可能ですが、今現在のようにすでに危険にさらされている状態では、「考え得る限り少しでも安全な行動を取ってください」としか言いようがありません

つまり、危険が迫れば迫るほど、言い換えれば災害発生の瞬間が近づけば近づくほど、取れる行動の選択肢は少なくなっていきますし、簡単な選択肢(わかりやすい避難行動)ほど早い段階で消えていきます。

肝は早めに行動すること。

そして早めに行動するためには、あらかじめ準備をした上で最新の情報を手に入れること。

そう、すごく普通のことです。

今回の大雨で幸い何の被害も受けなかった人も、次なる災害から身を守るために、今日から少しずつ、できることをやっていきましょう。