みちなるみちのく

東北180市町村を回った筆者が、あなたの知らない東北(みちのく)をご紹介します。

繊細かつ妖艶な立ち姿が秋を知らせる 船岡城址公園のヒガンバナ(宮城)

暑さ寒さも彼岸まで、とは本当によく言ったもので、驚くほど涼しい日が多くなってきました。

晴れると昼間は汗ばむ陽気でも、朝晩はひんやり

そんな季節の変化をいち早く察知して咲き始めるのが、ヒガンバナです。

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ヒガンバナは川沿いの土手や田んぼのあぜ道など日当たりの良いところに生えやすい。都市部では住宅街の植え込みによく見られる。

宮城県内にはヒガンバナの名所が数多くありますが、中でも県民によく知られているのが、柴田町の船岡城址公園と、大崎市の羽黒山公園です。

今日の記事では県南の代表的なヒガンバナ名所である船岡城址公園をご紹介します。

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例年お彼岸の頃になると一斉に咲き出すヒガンバナ(船岡城址公園、2017年撮影)

 船岡城址公園は古くからこの地域を治めていた柴田氏明治時代まで住んでいた館跡で、かつての建物はすべて取り壊されていますが、頂上付近には本丸跡が残るなど、往時の様子がしのばれます

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城跡は高台になっていて、眼下には白石川が望める。柴田町から大河原町にかけて続く白石川の堤では、毎年4月に一目千本桜が20万人を惹きつける。(船岡城址公園、2017年撮影)

広大な敷地内に30万株を超えるヒガンバナが植えられ、見頃の時期には360度鮮やかな世界が広がります。

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秋の日を斜めに浴びて、ひときわ赤く輝くヒガンバナ(船岡城址公園、2017年撮影)

ヒガンバナを「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」と呼ぶこともあり、柴田町でも毎年「しばた曼珠沙華まつり」を開催していますが(今年は祭りは中止、花は例年通り楽しめる)、これは仏教にまつわるサンスクリット語に由来しています。

仏の世界である天上界には4つの種類の蓮華の花が咲くとされ、その1つが曼珠沙華だと考えられています。

日本語としての音は「まんじゅしゃげ」ですが、サンスクリット語での発音は「まんじゅさか」に近いです。

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人気の名所ではあるが、春の桜の時期ほどは混まないので散策しやすい。(船岡城址公園、2017年撮影)

ヒガンバナに葉がないのを不思議に思ったことがある方も多いと思いますが、ヒガンバナの葉が出るのは花が枯れたあと

秋から冬の間光合成をしっかりして、その栄養を地中のイモ(球根)に溜め、一年かけて消費します。

木々の葉が落ちて頭上に日差しを遮る障害物がないにかけて、思い切り光合成をしようという作戦です。

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花が咲く時期には葉っぱがないヒガンバナ。すっと長く伸びた茎の上に一輪の花が開く姿は、なんとも妖艶。(船岡城址公園、2017年撮影)

船岡城址公園のヒガンバナは、今年はようやく昨日までの連休中に咲き進んできたようで、次の週末あたりが見頃になりそうです!

去年は9月26日頃から1週間ほどの間が見頃だったということで、今年も同じくらいになりそう。

接近中の台風12号により東北でも降水量が多くなりそうなので、被害が出ないことを願うばかりです。