各地で続々と梅雨入りの発表がされる時期になると、雨の日も多くなるし、晴れの日でも湿度が高くてじめじめするしで、気持ちがふさぎがち。
そんな気分を清々しく払ってくれるのが、まもなく見ごろを迎えるアヤメ、カキツバタ、ハナショウブといったアヤメ科の花たちです。
今回は、アヤメやハナショウブの名所が多い東北の中でも指折りのスポットを3つ厳選してご紹介します!
- 全国有数の800種300万本!古代ロマンただよう地で過ごす時間「多賀城あやめ園」(宮城・多賀城)
- ここでしか見られない古種あり!花のまち自慢の名所「長井あやめ公園」(山形・長井市)
- 世界遺産の町に再現される浄土の景色「毛越寺」(岩手県・平泉町)
全国有数の800種300万本!古代ロマンただよう地で過ごす時間「多賀城あやめ園」(宮城・多賀城)
宮城県の多賀城市(たがじょうし)にある多賀城跡は、平安時代に蝦夷討伐の拠点となっていた場所です。
名前は「城」ですが、現代の感覚で言うと城ではなく「役所」のイメージ。
広大な敷地を要する遺跡は奈良の平城京や九州の太宰府などとともに日本三大史跡に数えられ、その一角に多賀城あやめ園があります。
園内は木道が整備されていて花に囲まれながら散策することもでき、5月下旬からアヤメ、6月に入ったらカキツバタ、そして6月後半にはハナショウブが見頃を迎えます。
多賀城あやめまつり(6月17日~25日)の期間中は土日に伝統芸能の披露のほか、海上保安庁や自衛隊関連イベント(多賀城には駐屯地があります)が催され、6月21日~23日には夜のライトアップが予定されています。
(最新の情報は公式HPを参照。)
多賀城あやめ園へはJRでのアクセスが便利ですが、仙石線の多賀城駅ではなく東北本線・仙石東北ラインの国府多賀城駅が最寄なのでご注意を。
間違って多賀城駅に行ってしまうと、歩ける距離ではありません!
ここでしか見られない古種あり!花のまち自慢の名所「長井あやめ公園」(山形・長井市)
山形県長井市は「水と緑と花のまち」を自称するほど美しい花にあふれた場所。
長井市を走るローカル鉄道も沿線に花の名所が多いことから「フラワー長井線」と名付けられ、バラやダリア、シャクヤク、紅花などを季節ごとに楽しむことができます。
中でも6月に見ごろを迎える長井あやめ園は県内外に知られていて、この場所でしか見られない「長井古種」を含む約500種100万本が咲き誇ります。
3.3ヘクタールという広さだけで言えば前述の多賀城あやめ園を上回っていて、開放的な雰囲気の中で珍しい花々を楽しめます。
今年2023年も「長井あやめまつり」の期間中(6月10日~7月5日)は北口ゲートにアンブレラスカイが設置され、人気のあやめソフトを含む食べ物があやめ会館1階に開かれる「あやめ食堂」で提供されます。
長井あやめまつりの開催期間中は入場料が必要で大人500円、中学生以下200円、期間外であれば無料開放です。
アクセスに便利なフラワー長井線へは、山形新幹線も停まるJR赤湯駅から乗り継ぎが可能。
なおフラワー長井線は今年2023年に全線開通100周年を迎えていて、記念切符の販売や郵便局とのタイアップなどイベントも盛りだくさんです。
世界遺産の町に再現される浄土の景色「毛越寺」(岩手県・平泉町)
金色堂で知られる世界遺産・中尊寺を要する岩手県平泉町(ひらいずみちょう)には、1000年前に東北で栄華を誇った奥州藤原氏ゆかりの史跡が多く残ります。
その一つ、毛越寺(もうつうじ)には、清らかな水をたたえた泉や枯山水風の築山などを組み合わせ極楽浄土を再現した浄土庭園があります。
この美しい水辺で例年6月に見ごろを迎えるのが約3万株のハナショウブ。
青や紫だけでなく、白や黄色など様々な色が思い思いに咲き誇ります。
祭りの期間中(6月20日~7月10日)は国の重要無形民俗文化財にも指定されている延年の舞や邦楽演奏会など様々なイベントが予定されています。
毛越寺は中尊寺を含む世界遺産エリアにかなり近いため、これを機にあわせて訪れるのもおすすめです。