その不思議な名前のワケは後半で…気になる人はここからジャンプ!
さてさて、今から15年ほど前、私が雁月と出会ったのは、東北についてほとんど何も知らない頃でした。
今ではクックパッドやマカロニ、そして楽天レシピやデリッシュキッチンなど数多くの料理レシピサイトが存在しますが、当時はまだクックパッド独り勝ちの時代。
とはいえ、今では300万を超えるレシピが掲載されているクックパッドでも、当時のレシピ数は桁で少なかったと記憶しています。
掲載レシピをもとにユーザーが料理を作った写真を投稿する「つくれぽ」の数が10に達したレシピは「話題入り」としてリストアップされる仕組みで、今では「話題入り」するレシピも多すぎて全部目を通していると日が暮れてしまうほどですが、当時は1日にせいぜい10個~数十個程度でした。
件のお菓子「雁月」を私が見つけたのは、まさにその「話題入り」レシピの一覧リストの中。
ただ、そのレシピを見ても特に「岩手」や「宮城」といった地名の言及はなく、郷土菓子であるという説明もなく、ひたすら淡々と黒糖を使った蒸しパンの作り方が書かれているだけ。
レシピ名は「雁月」だけど、それが意味するところについても一切語られていませんでした。
それもそのはずで、当時のネット上にあった料理レシピというのは投稿者本人の覚書という面も強く、そこまで多くの人に見てもらうことを前提としていないレシピも多くあったのです。
今でこそ、できるだけ多くの人に見てもらって、できるだけ多くの人に褒められたいという願望のもとレシピや料理写真をネットに投稿する人が多数派を占めますが、まだそんな時代が来る前の話でした。
そんなわけで私は、「雁月」という名前の黒糖蒸しパン的なお菓子があるという漠然とした知識とともにその後しばらく人生を過ごしていたわけですが、あるとき、テレビのバラエティ番組に突如「雁月」が登場します。
外国人に日本の食べ物を紹介するという体の番組で、日本各地の少し変わった郷土料理や郷土菓子が次々と「謎の食べ物」として面白おかしく演出されるスタイル。
もちろん外国人出演者にとっては見たことも聞いたこともない食べ物ばかりですが、中には日本人の芸能人も知らないものが登場し、彼らがびっくりする反応が番組のアクセントになっていました。
その流れで雁月もやはり「謎のお菓子」として日本人・外国人ともに「何それ!?」と驚きをもって迎えられたわけですが、私自身は何年も前に当たり前のように作り方が説明されている様を見てしまっていたので、逆に「何で驚くの?」と一瞬ポカンとしたのを覚えています。
ただ、岩手や宮城の郷土菓子だったという知識はそこで初めて知りましたし、番組内で
その後調べたところによると、
そんな雁月は、冒頭で書いたように、いわば
もともと
そして、たっぷりの黒糖が
素朴な味が親しまれ、今でもお茶請けとして岩手や宮城の家庭で登場しますし、地元のスーパーにはよく売っています。
゚+。:.゚(*゚Д゚*)゚.:。+゚
— さゆりん (@sayurinbaruto) April 27, 2021
……どうしてここに……?!#一関 #すがわら #雁月#スーパーで発見#連れて帰ってきました pic.twitter.com/WPZ8DFO4No
そしてなんと、最近は全国のコンビニにもあるようで…。
ふっふっふっ💕💕
— RAKA (@RAKAnikkapokka) April 13, 2021
カロリーはエグいが
この雁月大好き💕💕
安いのに
食べ応えバッチリ😊😊
雁月好きにはたまらんです💕💕#セブンイレブン #雁月 pic.twitter.com/iEJrMfezMW
便利な時代になりました。
レシピも色々ありますが、ここでは富澤商店さんのものをご紹介しておきます。
とにかく独特な食感と懐かしい感じのする甘さで、
ぜひ皆さんも(ダイエット中でなければ!)味わってみてください。