今日は関東を中心に「久しぶりに青空を見た!」という方が多かったかと思いますが、その青空にぽつぽつと羊やいわしが浮いていたのに気づいた方も多かったはず。
ひつじ雲やいわし雲を見るとなんとなく「秋だな~」と思うのは、夏の間は積乱雲が空の下から上までどーんっと覆って彼らの活躍の場が少ないため。
つまり、巨大な積乱雲が次々と成長する季節が終わったことを感じるためです。
ところで先ほどから「ひつじ雲やいわし雲」とひとまとめに書いていますが、これらの雲にはそれぞれちゃんと名前があります。
ひつじ雲が専門的には「高積雲(こうせきうん)」、いわし雲(うろこ雲とも)は専門的には「巻積雲(けんせきうん)」と言います。
高積雲と巻積雲の違いは、雲ができる高さにあります。
高積雲はだいたい地上から数キロ~5キロ程度の高さ、一方で巻積雲は高度10キロくらいのかなり高いところにできます。
その結果、地上にいる私たちから見ると、より近くにある高積雲は比較的大きく、より遠くにある巻積雲は小さく見えるというわけです。
高積雲(ひつじ雲)と巻積雲(いわし雲・うろこ雲)を見分ける一番簡単な方法は、空に向かってぐっと手をかかげて、親指の爪の大きさと雲の大きさを比べること。
雲の方が大きければ高積雲、小さければ巻積雲です。
また、飛行機が飛ぶ高度はだいたい10キロくらいなので、飛行機の高さと比べる方法もあります。
空港が近かったりすると離発着のために高度を下げている可能性もありますが、飛行機雲ができている飛行機であればだいたい10キロくらいの高度には達していると思います。
ちなみに以前の記事でご紹介しましたが、
今の時期、つまり夏から秋に移り変わる時期は、夏らしい雲と秋らしい雲が空に同居して、見上げた空で季節が「行き合って」いる様子が見えます。
雲の他にも、夏の花がまだ咲いているところに秋の花が咲き始めたり、スーパーで夏野菜と秋が旬の野菜が両方並んでいたり、半袖と長袖を交互に着るようになったり。
身近なところに「行き合い」を見つけることができそうです。