みちなるみちのく

東北180市町村を回った筆者が、あなたの知らない東北(みちのく)をご紹介します。

「もしも」のために「いつも」備えたい 使ったことがありますか?「災害用伝言ダイヤル」

昨夜はブログをアップして間もなく、ここ何年も経験した記憶のないレベルの揺れに襲われて、長く続く揺れの中で様々なことを思い出していました。

あの日から、まもなく10年です。

 

地震は、確率の高いところから順に起きるわけではない

昨日2月13日の23時過ぎに発生したマグニチュード7.3の地震は、2011年の東日本大震災の余震とみられる、と気象庁は発表しています。

10年前の地震の余震ってどういうこと?余震って1週間とかそういうスパンで来るんじゃないの!?」という声も聞こえてきそうですが、地殻変動というのは何百年とか何万年という周期ですら珍しくない世界の話なので、10年なんて一瞬です。

しかも、台風とか前線といった気象現象と違って、予測が難しいのが地震。

断層やプレートの位置から「他の場所より地震の発生確率が高い場所」はある程度割り出せますが、そもそもまだ存在がわかっていない断層もあれば、プレートが未知の動き方をすることもあります。

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防災科学技術研究所が公開している「確率論的地震動予測地図」。色が濃いほど確率が高いことを示しているが、あくまで「確率」しかわからない。

おまけに、地震は発生確率の高い場所から順に起きるわけではありません

たとえば今の状況下でいうと、首都直下地震よりも昨夜動いた太平洋プレートの境界付近でまた地震が起きる可能性の方が断然高いですが、その「可能性の高い」地震が起きるよりも前に、首都直下地震が先に起きることも普通にあり得るということです。

何が起きるかわからないから、何が起きていもいいように備える

それしかないのです。

 

簡単なことから:まずは安否を知りたい・知らせたい

そうは言っても今から急に水と食料とモバイルバッテリーを買い込んですべての家具の固定をして…、というのができればもちろん理想的ですが、いきなり全部やろうとすると途中で息切れしてしまうので、体を動かさなくてもよい、一番簡単なことからやってみるのがおすすめです。

それは、大規模な停電電話の通じない状態に陥ったとき、離れた場所にいる家族や友人に、自分が生き延びていることを伝え、そしてその家族や友人の無事も確かめることができるシステム。

災害用伝言ダイヤルです。

今回の地震でもすでに運用されていて、日本全国から、あらゆる携帯電話や固定電話宛ての伝言を受け付けています。

詳しくはNTTのホームページに使い方が載っていますが、「171」にダイヤルし、音声ガイダンスに従って、伝言を残した相手の番号を入力したり、あるいは自分の番号を入力することで自分宛てのメッセージがないかどうか調べることができます。

https://www.ntt-east.co.jp/saigai/voice171s/images/intro_use_img01.jpg

(NTT東日本のHPより)

このサービスは、携帯電話からも、固定電話からも、公衆電話からも使えます。

もちろん今回の地震では停電の復旧が早かったものの、地震の揺れ自体によって家具や家電が壊れ、固定電話が壊れることもあり得ます。

「固定電話が壊れてもスマホがあるでしょ」と言いたくなりますが、自分の親や祖父母は固定電話しか持っていない…という人も少なくないはず。

これを機に、離れて暮らすご両親などに教えてあげれば、いざというとき、公衆電話を使ってやりとりができます。

 

災害用伝言ダイヤルは「練習」できる

現在、災害用伝言ダイヤルは昨夜の地震を受けて「運用中」、つまり本番の使われ方をしていますが、実は平常時に練習で使える機会があります。

毎月1日と15日、そしてお正月三が日や、9月1日の防災の日を含む「防災週間」や阪神淡路大震災の日を含む「防災とボランティア週間」には、本番と同じ状況で誰でも試しに伝言を残したり聞いたりすることができます。

今月2月15日(つまり明日)はまだ「運用中」のため体験はできませんが、体験のタイミングは毎月やってくるため、自分の都合のよいときに練習することができます。

体を動かさなくても(なんなら寝ながらでも)できる、一番簡単な「備え」

一度やってみると、「よし、次は備蓄も始めてみようかな」と気持ちが軽くなって、少しずつやれることの幅が広がっていくと思います。

 

生き残ったあと生き延びるために

私は気象予報士として防災についても長年勉強してきたため、大学の先生を含め様々な専門家の方のお話も聞いてきましたが、その中でも特に印象に残っているのが、「生き残ったあとは、生き延びないといけない」という言葉です。

つまり、地震でも大雨でも何でも、大きな災害が発生して、なんとか生き残ったとして、そのあとも生き続けるのは容易ではないわけです。

というのも、人が亡くなるようなレベルの災害であれば、自宅が住めない状態になったり、水や食料が手に入らなくなったり、電気がない状態で猛暑や極寒に耐えなければならなかったり、複数の困難が待ち構えているはず。

そんな中で「生き延びる」ためには、もちろん物資も必要だけど、やっぱり心の支えが要ります。

災害用伝言ダイヤルは、その一助となると、私は思っています。