みちなるみちのく

東北180市町村を回った筆者が、あなたの知らない東北(みちのく)をご紹介します。

まるで天然の盆栽!裁判所内にたたずむ天然記念物「石割桜」(岩手・盛岡)

関東ではすっかり桜の木が青々と若葉に覆われていますが、東北北部では今ちょうど桜が美しい季節

今日4月13日に青森でソメイヨシノの開花が発表され、これで東北6県すべての桜の開花が観測されたことになります。

しかも、6県すべてで観測史上最早の開花です。
そんな東北の桜の中から、今週のお題「下書き供養」に合わせて下書きボックスから本日召喚するのが、国の天然記念物にも指定されている「石割桜(いしわりざくら)」

文字通り、石を割るように生えている一本桜です。

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国指定天然記念物「石割桜(いしわりざくら)」(過去の様子)

まるで盆栽のようなたたずまいですが、石の割れ目から生えているって、よく考えるとすごいことです。

こちらの夏の写真だとさら根元のあたりが良く見えるのですが、本当に石の割れ目の中に桜の根元がすっぽり入っています。

見れば見るほど不思議です。

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夏季の石割桜(過去の様子)

なぜこんな不思議な姿なのか、はっきりした原因はわかっていないのですが、もともと巨石があったところに落雷によって割れ目ができ、そこに桜の種子が入り込んだ、とも。

ただ、この石が花崗岩で、桜の品種がエドヒガンザクラだということはわかっています。

もともとは、かつてこの地域を治めていた南部藩主の分家にあたる人物の屋敷と庭園があった場所で、明治初期には「桜雲石」と呼ばれていたそうです。

「石割桜」というネーミングは生命力を感じる力強い感じ、対して「桜雲石」はなんだか優美な屏風絵にでも出てくるような雰囲気ですが、実際の桜はその両面を合わせ持っているような印象があります。

樹齢は約400年と言われていて、何世紀も生きてきた風格はやはり他の桜とは一線を画しています。

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毎年春になると盛岡市民が開花を心待ちにする「石割桜」。

この石割桜があるのは、盛岡市にある盛岡地方裁判所の構内

今年2021年もちょうど見ごろを迎え、地元の新聞やニュースで報じられていました。

www.iwate-np.co.jp

公的な場所なので平日は自由に出入りすることができるようになっていて、例年ならこの時期はこの一本の桜のためだけに大型の観光バスが何台もやってくる光景がおなじみですが、今年は盛岡市民が散歩や通勤のついでに立ち寄る憩いの場になっています。
気軽に東北に行けるようになったらもう一度会いたい桜の一つです。

ちなみに岩手県内には他にも桜の美しい場所がたくさんあります。

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(左)雄大な北上川沿いに約1万本の桜が咲き乱れる北上展勝地(北上市)、(右)残雪の岩手山と桜のコラボレーションが美しい高松の池(盛岡市)(いずれも過去の様子)

他の桜についてもいずれまたこのブログでご紹介したいと思いますが、ぜひ皆さんの「行きたい場所リスト」にも加えていただけたら嬉しいです!