今週のお題が「やる気が出ない」ということですが、ここ数日のように曇りや雨の日が続いていると特にやる気が出ない、という人も多いのではないでしょうか。
今日はこれからの季節の天気を左右する、梅雨前線との"距離感"をご紹介します。
今年は記録的な早さで西日本~東海の各地が梅雨入りし、現在、日本列島の半分くらいが梅雨に入っている状態です。
一方で関東甲信や北陸・東北はまだ梅雨入りしていませんが、それでもこのところ、曇りや雨の日が増えているのを感じている方は多いのではないでしょうか。
こういった、梅雨入り前なのにまるで梅雨のような天気になることを「梅雨のはしり」と言います。
梅雨前線ががっつりかかっているわけではないけれど、一時的に梅雨前線が近づくことで曇雨天になりやすくなるのです。
では、どのくらい近づくと曇りや雨になりやすいのか、というのが、実は経験則からある程度わかっています。
梅雨前線が自分の住む地域から約300キロ以内まで近づいてきているときは、かなり高い確率で雨が降り、500キロ程度だと雨は降らないまでも日差しを感じられない曇り空、そして、約700キロ以上離れていれば、日が差す可能性が高くなります。
もちろん、必ずしもこの通りになるわけではありませんが、比較的よく当てはまって便利なので、気象予報士の中にはこれを「七五三の法則」と言って紹介している人もいます。
ただ、天気図を見ても自分の住んでいる地域と梅雨前線が何キロくらい離れているかなんて、どうやって測るの??と思う人もいるかもしれません。
そこで定規代わりになるのが、東京・大阪間の直線距離が約400キロということと、緯度10度がだいたい1000キロくらいだということです。
新聞などに載っている天気図の緯度経度線は基本的に10度ごとに引かれているので、2本の緯線の距離を参考にすると簡単に距離がわかりそうです。
ちなみに、まだ梅雨入りしていない関東甲信などがいつ梅雨入りするのか、なかなか気になるところではありますが、実は梅雨入りを判断する気象台の担当官の皆さんも、この時期はかなりやきもきしています。
というのも、ある日を境にきっぱり「昨日までは梅雨じゃなくて今日からは梅雨!」みたいなはっきりした天候になる年なんて、ほとんど無いのです。
梅雨というのは季節の「移り変わり」の現象で、明確に始まるというよりもじわじわと始まるのが当たり前。
つまり、梅雨自体がもともと曖昧に始まる現象なのです。
それでも梅雨というのは社会への影響が非常に大きいため、毎年「梅雨入り」「梅雨明け」が発表され続けています。
今年はそんなややこしいお仕事をこなしてくれている各地の気象台の皆さんに思いを馳せながら、早めに本格的な雨の季節への備え、してみませんか。