みちなるみちのく

東北180市町村を回った筆者が、あなたの知らない東北(みちのく)をご紹介します。

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風と音に癒される夏 御鎮座1180年!竹駒神社の「夏詣(なつもうで)」(宮城・岩沼)

日本三大稲荷の一つ、宮城県岩沼市(いわぬまし)の竹駒神社(たけこまじんじゃ)では今、厄除けと招福を願う「夏詣(なつもうで)」の時期を迎えています。

色とりどりの風鈴と風車が出迎える竹駒神社の「夏詣」。

もともと神社などでは6月末に「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」と言って、半年間(その年の1月~6月)の穢れを祓い清める行事をするところが多いですが、「夏詣」ではそこから残り半年間の平穏無事や無病息災を祈願します。

(2022年は7月1日~8月31日。詳しくは公式HPを参照

境内の装いが普段と変わる神社が多く、この竹駒神社では見渡す限りの風鈴風車がお出迎え。

見た目にも美しく、そして風鈴の音や、わずかな風にそよぐ風車の姿が、耳にも目にも涼やかな風景です。 

風車が回り風鈴が鳴ると、風の通り道が目にも耳にもわかる。

岩沼市は県庁所在地の仙台市より少し南、仙台空港が立地する市です。

(仙台空港は岩沼市と名取市に、ほぼ半分ずつまたがっています。)

大都市・仙台に近いことからベッドタウンとしても知られ人口も多いですが、沿岸部に住宅が多く東日本大震災の津波では被害が大きかった自治体の一つでもあります。

震災後は住民主体の復興が進められ、現在では沿岸部に鎮魂と防災、それに憩いの場を兼ねたメモリアル公園「千年希望の丘」が完成しています。

sennen-kibouno-oka.com

その岩沼市にある竹駒神社日本三大稲荷の一つと言われ(三大稲荷にどこを数えるかは諸説あります)、今年で御鎮座1180年という長い長い歴史を持ちます。

百人一首に登場する小野篁(おののたかむら)が東北の地に国司として派遣された際に創建したと伝えられ、江戸時代には仙台藩主伊達家の庇護を受け信仰を集めてきました。 

県の有形文化財にも指定されている唐門は天保年間の建築。

竹駒神社はお稲荷さん、つまり稲荷神社ですから、古くから五穀豊穣商売繁盛をはじめ、また現在では交通安全縁結びなどのご利益を求めて、多くの人がお参りに訪れます。

お稲荷さんのシンボルでもあるキツネ(神様の眷属=使者と考えられている)を象ったモチーフも随所に見られ、ほっこり癒されるスポットでもあります。

(左)きつねの顔を象った絵馬、(右)小さなきつねがガラスの器に入って浮かぶ手水舎。

悠久の時が流れる境内で感じる、風と音に癒される夏

竹駒さまの夏詣で、いつもとちょっと違う夏のひと時を過ごしてみては?