みちなるみちのく

東北180市町村を回った筆者が、あなたの知らない東北(みちのく)をご紹介します。

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進む季節、山を降りる紅葉 ―― 気軽に行ける!みちのく錦秋へ

このところ日中はまだまだ汗ばむ陽気だけど朝晩はひんやり…という日が増えてきました。

木々の葉は最低気温が下がってくると色づきが進むため、この「朝晩ひんやり」というのは紅葉の見頃が近づくサインです。

今ちょうど紅葉が見頃なのは標高の高い山間部ですが、これから紅葉は山を降りてきます。

登山をしなくても見に行ける場所で見ごろになるのはいつなのか??

この前の週末に、前回の記事でご紹介した岩手県三ツ石山へ実際に行って東北の紅葉の様子も見てきましたので、あわせてご紹介していきます!

標高1285メートルにある三ツ石湿原。アオモリトドマツに囲まれた湿原の草紅葉も、三ツ石山登山の魅力の一つ。常緑樹であるアオモリトドマツの濃い緑と黄金色の草紅葉、そして空の青とのコントラストが美しい。写真奥の三ツ石山荘は通年で避難小屋として使用できる。

三ツ石山(みついしやま・みついしさん)は先日お伝えしたように複数の登山ルートがありますが、今回は網張温泉スキー場のリフト標高1300メートルくらいまで上がってから、大松倉山の山頂を経由して三ツ石山頂を目指すルートを選びました。

リフトは3本を乗り継いで片道1500円です(時期により多少変動します)。

網張温泉スキー場のリフト(スキーシーズン以外は期間限定or日付限定で運行)

三ツ石山の標高が1466メートルですから、残り200メートルなんて簡単でしょ、と思うかもしれませんが、山の中で人間が歩ける場所は限られているので、険しいところを迂回して上がったり下がったりしながら、かつ岩場やぬかるみを含む道のりを進むので、多少スポーツが得意な人でも2時間半ほどかかります。

登山靴がなくてもぎりぎり運動靴で登れる道。ただし泥だらけになるのは前提で…!

とはいえもちろん、本格的な登山に比べたらかなり登りやすい山であることは確かです。

山頂付近の紅葉は先週末の時点でほぼ見頃

三ツ石山の紅葉は、年や時期によってオレンジ色が強い時と赤色が強い時があって、このときはオレンジ色が綺麗に出ていました

三ツ石山・山頂付近の紅葉の様子(2022年9月25日撮影)

これから先、山頂付近はだんだん霜や雪で木々は枯れていき、紅葉の見ごろは下へ下へと降りていくことになります。

そのスピードは、1週間あたり数百メートル

つまり3週間ほどで1000メートルくらい降りていくことになります。

三ツ石山の例で言うと、3本乗り継ぐリフトの最初の乗り場が標高700メートルくらい、そして3本目を登り切ったところが1300メートルくらいですから、これからの時期は登山をしなくてもリフトだけで紅葉を楽しめるということになります。

リフトを降りてすぐの場所に広がる原っぱでピクニックが楽しめる。

3本目のリフトを降りて徒歩5分でこの眺望。10月に入るとこの視界が錦秋に染まる。

もともと各地のスキー場では冬だけでなく紅葉シーズンもリフトを運行することが多いですが、東北はスキー場自体の数が多いため、リフトで気軽に紅葉を楽しめるスポットも必然的に多くなります。

有名どころでは、単独のスキー場としては日本最大の面積を誇る蔵王温泉スキー場(山形県)

蔵王連峰(ざおうれんぽう)も山頂の標高が1500メートル前後の山が多いため、ちょうど今からの時期に紅葉が山を降りてきます

zaoropeway.co.jp

そのほか、東北の外ではあまり知られていない場所ですが、山形県米沢市(よねざわし)の天元台高原(てんげんだいこうげん)もおすすめスポットの一つ。

天元台は冬が本当に厳しく天然の雪だけでスキー場を運営できるくらいですが、今の時期はリフトとともに雲上テラスもオープンしていて、雲の上でカフェを楽しめる気持ちのいい季節です。

www.green.tengendai.jp

3週間で1000メートル下る紅葉。

あと1か月ほどすると、東北の街中も赤や黄色に染まっていきます。

日ごとに美しくなっていくみちのくの風景、ぜひ現地で楽しんでください!