仙台で暮らしていた頃、冬の食卓に欠かせなかったのが、せり。
一般的には七草がゆに入れるイメージしかないかもしれませんが、宮城県、特に仙台でせりと言えば「せり鍋」です。
自宅でも食べるし忘年会でも大人気のせり鍋は、せりをよーく洗って根っこまで食べます。
葉や茎のしゃきしゃきした食感と、根っこ部分のほんのり甘い独特の感じが、どちらもたまらない。
以前の記事でも書いたことがありますが、
宮城県はせりの生産量が全国1位。
古くからの生産地では特徴あるせりがブランド化され、名取市の「仙台せり」や石巻市の「河北せり」といった特産品になっています。
このうち「河北(かほく)せり」は今がちょうど収穫ピーク。
一般的なせりと比べて茎や葉の部分が長いのが特徴で、水深を30センチ以上確保できる専用田で栽培されます。
石巻市河北地区は北上山地周辺の豊富な伏流水に恵まれ、大量の水を必要とするせりの栽培にぴったりな場所。
すがすがしい香りとしゃきしゃき食感の美味しいせりがすくすく育ちます。
宮城県ではお雑煮に入れる家庭も多いせり。
「普段そんなに食べないよ」という人が多いかもしれませんが、和・洋どちらの料理にも合わせることができ、おにぎりやパスタに入れても美味しい優等生食材です。
特に今の時期は、寒さに凍える早朝に農家の方々が深い水の中に入って収穫してくださる有難い野菜でもあります。
産地や出荷時期によっても味や風味が変わったりするので、見つけたらぜひ、せり鍋はもちろのこと様々な料理を楽しんでください!