みちなるみちのく

東北180市町村を回った筆者が、あなたの知らない東北(みちのく)をご紹介します。

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今年も野蒜海岸に登場!年末年始限定の"絶景"鳥居(宮城・東松島)

宮城県沿岸部の中ほどに位置し、美しい海岸を多く擁する東松島市

その一つ、野蒜(のびる)海岸には、今年も期間限定の鳥居が登場しています。

毎年12月はじめから1月末の約2か月間だけ設置されるこの鳥居は、SNS映えスポットとして県内外から観光客が訪れるだけでなく、地元の人にとっては初日の出を見に集まる憩いの場所でもあります。

白い砂浜青い空と海、そして鳥居の赤のコントラストが美しく、すーっと延びる水平線もあいまって、心が洗われる景色です。

実は野蒜海岸には以前から、年末年始の時期だけ鳥居が設置されていました。

12月に鳥居を設置し、明けて1月には撤去して分解して保存、そしてまた12月に設置して…と繰り返されていた習慣が、東日本大震災の津波で海岸はがれきだらけに。

当時の鳥居も流されてしまい、その後数年間は鳥居を立てる担い手もいない状態でした。

しかし、震災前のにぎわいを取り戻したいという地元住民の思いに応え、震災復興ボランティアから移住者となった人が中心となって鳥居を作り直し、今再び野蒜のシンボルの一つとなっています。

宮城県は東端が海岸線で縁取られているため、当然ながら朝日は水平線から昇ってきます。

朝日と海と砂浜、そしてそこに映える鳥居。

一度は見に行きたい絶景です。

ちなみに宮城県は太平洋側の地域ではありますが、やはり東北は東北なので真冬になると何度も雪が降ります

「海辺の鳥居」というだけなら日本の他の場所でも見ることができますが、砂浜が雪に覆われた状態の「海辺の鳥居」はなかなか貴重な風景です。 

野蒜海岸の海水浴場では今年2022年、12年ぶりに海開きが再開さました。

震災前は年間4万人以上もの人出でにぎわっていた海水浴場でしたが、津波の被害が大きく、がれきの撤去とその後の防潮堤や道路の整備といった復旧工事に時間がかかり、去年2021年の末にようやく終わったためです。

「復興」という言葉が今ふさわしいのかわかりませんが、この場所にも色んなことがようやく戻ってきた、そんな感じがしています。

皆さんは初日の出、どこで見ますか?