雪の積もった大地を照らす、美しい絵ろうそくの淡い光。
明日(2月10日)から2日間、会津のシンボル・鶴ヶ城を中心に約10,000本の絵ろうそくが街を灯す「会津絵そうろくまつり」が開催されます。
1本1本に菊、牡丹、藤といった季節の草花が色鮮やかに描かれた色鮮やかな「会津絵ろうそく」。
芯づくりにはじまり、蝋かけ、かんなかけ、 手磨き、絵かき…、と幾多の製造工程がすべて手作業で行われています。
福島県の会津地方はかつて会津藩として東北随一の繁栄を誇った地ですが、米どころであり交通の要衝でもあったことに加え、高い技術を結集した伝統工芸が藩の財政を支えていたこともその大きな理由の一つです。
当時、漆塗り(会津塗)や焼き物(本郷焼)と並ぶ会津の重要な工芸品が、ろうそく作りでした。
幕末の会津藩を描いた絵には必ずといっていいほどろうそくが描き込まれていたくらい、ろうそく作りは会津を象徴する工芸品だったようです。
ろうそくは実用的な白いろうそくの他に、草花など様々な絵を描いた絵ろうそくも生産され、日常生活にろうそくを使わなくなった現代でも、土産物や結婚式の贈り物などとして使われ続けています。
そのろうそくが会津若松の街中を優しく照らす、会津絵ろうそくまつり。
鶴ヶ城(会津若松城)以外にも市内各所で約10,000本のろうそくに明かりが灯され、例年この地域を覆う積雪と相まって幻想的な雰囲気を醸しだします。
会津絵ろうそくまつりは明日2月10日から2日間、ろうそくの点灯時間は17時半頃~20時半頃です。
雪深い冬には花が咲かなかったことから、かつては冬の間、花の代わりとしても使われた絵ろうそく。
白銀の世界に優しくたたずむろうそくたちを見に出かけませんか。