みちなるみちのく

東北180市町村を回った筆者が、あなたの知らない東北(みちのく)をご紹介します。

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厳寒を味方に仕込む!旨味と酸味の絶妙バランス「阿櫻」(秋田・横手)

秋田県横手市は県内有数の豪雪地帯

伝統行事「かまくら」で知られる横手は一年の半分近くの期間が雪と寒さに包まれます。

その寒さを逆手に取って行われているのが日本酒造り。

今回は、厳寒が生み出す美酒「阿櫻」をご紹介します!

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秋田県第2の都市である横手市は、秋田県の南東部の内陸に位置し、かつてB1グランプリで優勝した「横手焼きそば」でも知られる場所です。

(左)地元グルメ「横手焼きそば「、(右)伝統のかまくら

横手のシンボルの一つでもある横手城は別名「阿櫻城」とも呼ばれ、今回ご紹介する阿櫻酒造の名前の由来となっています。

小ぶりながらも端正ないでたちの横手城

明治19年(1886年)に創業した阿櫻酒造は、雪深い横手のに酒を仕込みます。

例年11月から始まる酒造りは「かまくら」の行われる2月中旬にピークを迎え、澄んだ空気と安定した低温の中で行われます。

この「秋田流長期低温発酵」と奥羽山系の伏流水によって、口当たりがやわらかくすっきりとした飲み口の酒が生み出されます。

阿櫻酒造ではもともと「かまくら」「雪の音(ゆきのね)」といった銘柄を出していましたが、2008年「阿櫻」ブランドを立ち上げ、現在の主力商品となっています。

私が飲んだことがあるのはその「阿櫻」の中でも季節限定酒である辛口タイプでしたが、旨味と酸味のバランスに秀でた阿櫻の本領が発揮されていて、まさに絶品でした。

「阿櫻」特別純米無濾過原酒。

ボトル側面には「山内杜氏 照井俊男」と杜氏の名がはっきりと印刷されています。

酒米も麹も秋田県産。秋田の酒はこういった「オール秋田」のものが多い。

山内杜氏というのは日本五大杜氏の一つで、旧山内村(現在の横手市)発祥のこの杜氏集団は秋田の酒造りに大きな影響を与えてきました。

照井さんは地元横手出身、酒造りにかれこれ50年ほども携わってきた大ベテランです。

山内杜氏を中心に、伝統的な手作業にこだわりつつも、常に新しい挑戦も続ける阿桜酒造の商品は、オンラインでも購入できます。sakemuseum.com

厳寒が育てる味わい深い横手の酒、是非ご賞味あれ!