そろそろ新酒を出荷する酒蔵も増えつつありますが、酒屋さんで「今季最後の入荷です」と書かれたポップを見てついつい買ってしまった秋のお酒。
今日は、ラベルも名前もやたらかっこいい「闇鳴秋水(やみなりしゅうすい)」をご紹介します。
大吟醸酒というと、お酒造りに使うお米を50%以上磨いたお酒のことですが、この「闇鳴秋水」はなんと精米歩合が38%。
つまり62%分を削り取って、残りの38%だけを使って造ったお酒ということになります。
しかも使われている「出羽の里」という酒米はもともとそんなに磨かなくても美味しいお酒ができるコスパの高いお米なのですが、それを敢えて38%まで磨くという贅沢な使い方をしています。
一般に酒米は磨けば磨くほど雑味が少なく綺麗な味わいになるものですが、この「闇鳴秋水」はそれを体現したようなお酒。
透明感のある澄んだ味わいを楽しむことができます。
しかも、純米大吟醸なのでお米の旨味もしっかり生きていて、まるで梨のようなフルーティーさも感じられます。
「闇鳴秋水」を造っている冨士酒造は山形県の沿岸部、鶴岡市にある創業1778年(安永7年)の蔵元です。
以前の記事でもご紹介したことがありますが、山形県内では珍しく四季醸造、つまり年間通じて酒造りを行っています。
そのため毎月様々なお酒が出荷されますが、この「闇鳴秋水」は1年で1回しか出荷しない限定酒。
山形のお米と山形の酵母を使って山形で醸した、オール山形の特別なお酒です。
(冨士酒造公式Facebookより)
ちなみに今年の「闇鳴秋水」はそろそろ手に入らない時期に差し掛かっていますが、冨士酒造の代表銘柄である「栄光富士」はオンラインショップで買うことができます。
そろそろ年末も近づいているので、お正月に飲みたいお酒を探してみるのもいいかもしれません。
ぜひ東北の美味しいお酒、ご贔屓に!