ようやく東京でも秋の風を感じられるようになったこの頃。
日々の気温変化が大きかったり、雨の日が増えたりすると、今まさに季節の変わり目にいるんだというのを実感します。
宮城と山形では、秋に欠かせない楽しみがあります。
それは、芋煮。
芋煮がない秋なんて、秋じゃない!
というくらい、重要なイベントが芋煮です。
芋煮(芋煮会)とは、友人や家族、同僚と河原に集まって芋(=里芋)を煮て食べること。
宮城と山形の全域というより、仙台市を中心とした地域と山形市を中心とした地域で盛んで、地域ごと、あるいは集落ごとに芋煮の具材や味付けが違います。
ざっくり主流な味は、仙台市では豚肉+味噌、山形市では牛肉+醤油。
友人と芋煮をした次の週末には会社の芋煮会があったりして、ひと秋の間に何度も芋煮を食べることも珍しくありません。
仙台市民ご用達の芋煮スポットは、広瀬川の河原。
映画のロケにもよく使われる広瀬川は、仙台七夕とゆかりが深かったり、芋煮会場にもなったりして、仙台市民にとって大事な憩いの場所です。
そして、山形市民ご用達の須川の河原で今週末開かれるのが、毎年恒例「日本一の芋煮会フェスティバル」です。
例年数万人が集まるこのイベントでは、直径6.5メートル(以前もっと小さかったが、今は過去最大サイズの3代目が活躍)の鍋で作った芋煮を食べることができます。
鍋に入れる具材の量も桁外れで、里芋が4トンとか、お醤油が800リットルとか、びっくりするような数字が並び、文字通り日本一。
こんな大きな鍋でこんな大量の具材を煮込むわけですから、普通のお玉とか菜箸では役に立ちません。
そこで…重機を使います。
安心してください、重機は毎年新品です!
新品の重機の潤滑油をバターなど食用油で代用して、ショベルの部分は取り換えて、安全な状態で使います。
ちなみに重機は使ったあと、捨てるのではなく、中古として買い取り手が毎年現れるので無駄になっていないそうです。
今年2020年は、残念ながらいつもと同じようには芋煮会フェスティバルを開催できないため、完全予約制のドライブスルー形式で行うことになっています。
いつもより小さい直径2メートル/2.5メートルの鍋で芋煮を調理し、ドライブスルーかつテイクアウトで提供。
予約チケットは今月初旬の段階で、完売しました。
実は、チケットが売り切れる前の段階でこのブログで告知しようか悩んだのですが、予約できるのは東北6県と新潟県に在住の人だけで、誰でも買えるわけではないので、敢えてこのタイミングでご紹介することにしました。
この記事を読んで芋煮に興味を持ってくださった方に芋煮会フェスティバルに参加してもらえないのは残念ですが、今は楽天でもアマゾンでも「芋煮セット」と検索すると、里芋からお肉から調味料まで全部入った便利なセットが注文できます。
食べてみたい!と思ってくださった方は、今年はおうちで芋煮を楽しんで、そして、来年はぜひ現地を訪れてください。
今年の「日本一の芋煮会フェスティバル」は明後日9月20日。
会場のある山形市の天気予報は、くもり。
東京在住の私はもちろん参加できませんが、逆境でも懸命に運営をしてくださる皆さんの頭上に、なんとか青空が広がることを、東京から祈っています!