みちなるみちのく

東北180市町村を回った筆者が、あなたの知らない東北(みちのく)をご紹介します。

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節分が動く!今年の節分が124年ぶりに2月2日になる理由

節分と言えば、毎年2月3日

豆まきをして、地域によっては玄関にイワシを飾ったり、恵方巻きを食べたり…。

ところが、今年2021年の節分は2月2日だというのです。

なぜ…?という前に、そもそも節分はどうやって決まっていたのか、それがわかると、自動的に2021年の節分は2月2日になることがわかります。

(今日の記事はいつもよりちょっと長いですが、他サイトになかなかちゃんとまとまって説明しているものがなかったので、しっかり書くことにしました!)

 

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地域によってイメージが異なる節分。「鬼は外、福は内」ではなく「鬼も内」という地域もある。

 

1.節分=立春の前日

まず、節分というのはもともと「季節の分かれ目」、つまり「節」を「分」ける日のことです。

季節とは春・夏・秋・冬、すなわち4つあるので、節分ももともと4回ありました。

春と夏の間の節分は夏が始まりである立夏の前日、夏と秋の間は立秋の前日、秋と冬の間は立冬の前日、そして、冬と春の間は立春の前日

このうち、なぜ立春の前日の節分だけが残って他の3つが現代では忘れられてしまったのか、定かではありませんが、もともと日本の暦は一年の始まりが立春だったので、4つのうち一番重要な分かれ目である立春の前日だけが残ったという説が有力です。

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もともとは立春が一年の始まりだった。

いずれにしても、節分は立春の前日、ということは、立春の決め方を知る必要があります。

 

2.立春の決め方

立春を含む二十四節気は、現代では国立天文台が決めています。

二十四節気とは、夏至や秋分、小寒といった古くからある暦のことで、その名の通り1年に二十四個あります。

この二十四個の日付けを決めるために、国立天文台では、地球と太陽との位置関係を基準にしています。

このへんは難しい説明になるのでざっくりとだけ書きますが、地球が太陽の周りを1年かけてぐるっと1周回り、見かけ上は太陽が地球の周りをぐるっと1周回るので、その1周を24等分(15度ずつ)に区切る、というイメージです。

正確には、「視黄経が0度、15度、30度…、となる瞬間」なのですが、ややこしいので、とにかくここでは「立春を含む二十四節気は、太陽と地球の位置関係を基準に国立天文台が難しい計算をしている」と思ってください。

で、さきほど「1年かけてぐるっと1周」と書きましたが、正確には「1年で1周」ではないところに、今回の話の肝があります。

 

3.1年=365日ではない!?

非常に細かい話ですが、地球の自転軸は常に固定されているわけではなく、微妙に動き続けています。

そのため、地球が太陽の周りを公転する際、1周回って元の位置に戻るのに、365日よりちょっと長くかかります。

具体的には、約365.2422日かかって(太陽から見て)元の場所に戻ってきます。

このような、地球の自転軸と太陽との位置関係を基準にした1年のことを1太陽年と呼びます。

季節の変化は太陽との位置関係で決まるので、二十四節気も当然、この太陽年を基準に決めることになります。

ちなみに約365.2422日というのはだいたい、365日+6時間くらいです。

補足ですが、1年を365日として生活していると、毎年約6時間ずつ短く1年を終わってしまうことになるので、4年に1回、1年を366日にして1日=24時間長くすることで調整しています。これがうるう年です。

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1太陽年の「ずれ」のイメージ。(画像:国立天文台HPより)

では、1太陽年が約365.2422日であることで、立春などの二十四節気がどうなるかというと、実はそんなに大きく影響を受けません

さきほど説明した、太陽と地球の位置関係で、1年でぐるっと1周するのを15度ずつ24等分するという話は、より正確には、その位置を通る瞬間(○時○分という一瞬)を含む日を立春の日付けにしているわけなので、その「一瞬」が同じ24時間以内に含まれていれば、日付けは変わりません

つまり、たとえ1年で6時間ずつずれていったとしても、立春の日付けまでは変わらないで済む、ということです。

(しかも4年経てば、うるう年がやってきて元に戻してくれる。)

とはいえ、やはり長年ずれが蓄積していくと、さすがに日付けまで変わるような年もやってくる

それが、今年2021年ということになります。

立春が2月4日でなくなるのは、 1984年2月5日以来37年ぶり

2月3日になるのは、1897年以来124年ぶりのことです。

そして、節分立春の前日なので、2021年は124年ぶりに2月2日になります。

 

4. 最後に恵方を確認しておこう

諸々難しいことを書いてきましたが、とにかく難しい計算をしてくれる人たちがいるおかげで私たちは気軽にカレンダーを使って気軽に豆まきができるということになります。

毎年恵方巻きを食べるという方もいると思いますのでご紹介しておくと、今年2021年の恵方は「南南東」です。

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恵方は、年神様のいらっしゃる方角。恵方巻はその神様の方向を見て食べると良いとされる。

恵方の決め方は…、いや、ちょっと節分の決め方でお腹いっぱいなのでやめておきましょう。

(ざっくりいうと、十干(甲、乙、丙…)に合わせて北北西、南南東、東北東、西南西の4つが順番に使われます。)

 

東北には、節分や立春に関連する伝統行事が数多く残っています。

長く厳しい冬が終わることを示す節分や立春は、一年の中でも特に重要な暦です。

このブログでも順次ご紹介していきますので、どうぞお楽しみに!