2月22日は「2(ニャン)」が3つ並ぶということで「猫の日」とされていることは最近よく知られるようになってきましたが、天気を表す言葉にも、「猫」が登場するものがあります。
「猫の目天気」という表現があって、もちろん正式な気象用語ではありませんが、「猫の目が周囲の明るさによってその大きさをころころ変えるように、ころころ変わる天気」のことを言います。
ころころ変わる天気、というのは、夏でいえば「晴れていたのに急に入道雲が発達して雨が降り出し、かと思ったら30分くらいでやんでまた晴れる」といった、夕立タイプの天気を思い浮かべますが、冬はどうでしょうか。
実は、日本海側に住んだことのない方にはなじみがないと思いますが、冬の日本海側は、基本的に毎日が猫の目天気です。
というのも、冬型の気圧配置になっているとき、寒気が強くて雪が降り続くという場合を除けば、通常は雪や雨が降ったりやんだりの状態で、ときどき晴れ間もあるような、そんな天気になるからです。
雪や雨が降ったりやんだりして、ときどき晴れるなんて、そんな日は一体どんな天気予報を気象庁が出しているかというと…、
晴れ ときどき 曇り ところにより 一時 雪または雨
といった感じの予報文になります。
「晴れ」も「曇り」も「雪」も「雨」も書いてあるなんて、こんなの”予報”と言えるのか!?という声も聞こえてきそうですが、事実そういう天気なので仕方がありません。
ちなみにかつては、こういった全タイプの天気要素が含まれた予報のことを「全天候型天気予報」と言うこともありました。
「全天候型」というのはもともと、「全天候型タイヤ」といった表現で使われ、「すべての天候に対応できる」という意味になります。
もちろん、「全天候型天気予報」という場合は褒めているのではなく、「天気要素を全部並べただけじゃないか」という揶揄が込められています。
ちなみに今シーズンで言うと、日本海側では「猫の目天気」が例年より少ない冬になっています。
冬型の気圧配置がさほど長続きしないにも関わらず、ひとたび冬型になると強烈な寒気が流れ込んできて、晴れ間の出る余裕もないくらい雪が降りしきることが多いためです。
そのため、冬全体(12月~2月)を通して見ると、気温は平年並みか場所によっては高いところもあるにも関わらず、降水量(雪の量と雨の量の合計)は平年を上回っているという状態です。
こういう年は例年よりも雪崩の危険が高まるなど影響が大きいため、雪の多い地域ではより一層の注意が必要になります。
来週には東北でも気温が10度を超えて、平年を5度以上も上回るところが続出しそうですが、油断禁物です。
ちなみに来週極端に気温が上がるのは関東などほかの地域にも言えることで、雪崩の心配がない地域でも、花粉の大量飛散への対応が必要です。