今日は雨とともに急に気温が下がってびっくりした人が多かったかと思いますが、いま日本列島の上空には寒気が流れ込んできています。
寒気流入の影響で今日は北海道の山で雪が降ったニュースを見た人もいるかもしれませんが、この寒気は7日金曜日ごろまで居座る見通しで、東北の山でも雪が降る可能性があります。
もう本州でも雪!?と驚かれそうですが、たとえば岩手県にある岩手山(いわてさん)の初冠雪の平年日は10月13日ですから、早すぎるということはないのです。
私たち気象予報士が「雪が降りそう」と判断するときの根拠は、上空の気温予想です。
現在の天気予報はコンピュータが計算した未来の気温や風、降水量、湿度などの予想をもとに行われていますが、コンピュータが計算するのは地上の数値だけではありません。
地上より少し高いところや、かなり高いところ(飛行機が飛ぶくらいの高さ)まで、様々な高さの予想を出してくれます。
中でも「雪」の目安に使われるのが、地上から1500m付近(気圧で言うと850hPa)の気温分布です。
この1500m付近の気温がもし0℃以下になって、かつ雲が発生していて何かしら降るものがあれば、標高1500m付近の山では雨ではなく雪として降ることになります。
このことから気象予報士の間で上空1500m付近の0℃線を「山で雪の目安」と呼んでいます。
(ちなみに今回は詳しく触れませんが、1500m付近で-6℃のラインが「平地」における「降れば雪の目安」になります。)
今回の例で見てみると、明日10月6日木曜日午前9時の気温分布予想(上図)では、0℃のラインが東北北部(青森・岩手・秋田)の3県にかかる見通し。
まさに「降れば雪」の状態です。
実は今回に関しては、寒気の強さは十分であるものの、肝心の雲があまり東北上空にかからずに何も降らない(つまり寒いだけ)の可能性もあるのですが、いずれにしても、東北の山では「いつ雪が降ってもおかしくない季節」に突入したことになります。
なお、現在東北の山々では紅葉が美しい時期ですが、山が紅葉している状態で山頂付近に雪が積もると、「三段染め」と呼ばれる光景を楽しむことできます。
以前のブログでもご紹介したことがありますが、
まだ紅葉が続いてる中で雪が降るという、今の時期にしか見られない現象です。
季節を先取りして変化していく東北の景色たち。
このブログでも引き続き東北の絶景や美味しいものをご紹介していきますので、お楽しみに!