みちなるみちのく

東北180市町村を回った筆者が、あなたの知らない東北(みちのく)をご紹介します。

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まもなく雪化粧!季節を先取り、みちのくの山々

今日は雨とともに急に気温が下がってびっくりした人が多かったかと思いますが、いま日本列島の上空には寒気が流れ込んできています。

最高気温の前日差(2022年10月5日)。寒色系の色の場所は前日より気温が下がっていて、今日はほぼ全国的に昨日より冷えたことがわかる。濃い青の地点では6℃以上も下がった。(画像:気象庁HPより)

寒気流入の影響で今日は北海道の山で雪が降ったニュースを見た人もいるかもしれませんが、この寒気は7日金曜日ごろまで居座る見通しで、東北の山でも雪が降る可能性があります。

もう本州でも雪!?と驚かれそうですが、たとえば岩手県にある岩手山(いわてさん)初冠雪の平年日10月13日ですから、早すぎるということはないのです。

www.data.jma.go.jp

私たち気象予報士が「雪が降りそう」と判断するときの根拠は、上空の気温予想です。

現在の天気予報はコンピュータが計算した未来の気温や風、降水量、湿度などの予想をもとに行われていますが、コンピュータが計算するのは地上の数値だけではありません

地上より少し高いところや、かなり高いところ(飛行機が飛ぶくらいの高さ)まで、様々な高さの予想を出してくれます。

中でも「雪」の目安に使われるのが、地上から1500m付近(気圧で言うと850hPa)の気温分布です。

この1500m付近の気温がもし0℃以下になって、かつ雲が発生していて何かしら降るものがあれば標高1500m付近の山では雨ではなく雪として降ることになります。

このことから気象予報士の間で上空1500m付近の0℃線を「山で雪の目安」と呼んでいます。

(ちなみに今回は詳しく触れませんが、1500m付近で-6℃のラインが「平地」における「降れば雪の目安」になります。)

2022年10月6日午前9時の850hPa気温予想(気象庁HPを元に作成)。

今回の例で見てみると、明日10月6日木曜日午前9時の気温分布予想(上図)では、0℃のライン東北北部(青森・岩手・秋田)の3県にかかる見通し。

まさに「降れば雪」の状態です。

 

実は今回に関しては、寒気の強さは十分であるものの、肝心の雲があまり東北上空にかからずに何も降らない(つまり寒いだけ)の可能性もあるのですが、いずれにしても、東北の山では「いつ雪が降ってもおかしくない季節」に突入したことになります。

 

なお、現在東北の山々では紅葉が美しい時期ですが、山が紅葉している状態で山頂付近にが積もると、「三段染め」と呼ばれる光景を楽しむことできます。

以前のブログでもご紹介したことがありますが、

megumin1120.hatenablog.com

まだ紅葉が続いてる中で雪が降るという、今の時期にしか見られない現象です。

上から雪の「白」、紅葉の「赤」、まだ紅葉していない木々の「緑」が三段になって美しい、吾妻連峰の「三段染め」(過去の様子)

季節を先取りして変化していく東北の景色たち。

このブログでも引き続き東北の絶景や美味しいものをご紹介していきますので、お楽しみに!