3月になってもまだまだ雪の残る地域が多い東北ですが、例年、年が明けて最初に届く東北の花の便りが、福島県いわき市のフクジュソウ(福寿草)です。
春を告げるフクジュソウ。
— いわき市総合観光案内所 (@kankouiwaki) February 21, 2021
三和町の福寿草の里では、あちらこちらで陽を求めて顔を出し、見頃を迎えております。幸せの黄色い花、見ているだけで心癒やされますね。#いわき市 #空ネット #福寿草 pic.twitter.com/43l5zUFFe6
1月のうちから見頃が始まり、例年3月ごろまで楽しむことができます。
上のツイートで左の写真では、田んぼのあぜ道が白っぽくなっていて雪が残っていることがわかりますが、フクジュソウはまだ雪が積もる時期から咲く早春の代表的な花です。

いわき市は福島県の浜通り(沿岸部)の最も南に位置する、福島県最大の人口を持つ市で、東北地方で2番目に大きな市でもあります。
"東北のハワイ"とも呼ばれるほど温暖ないわきでは、東北でも他の場所に先駆けて花の話題が相次ぎます。
同じいわき市内にあるいわき市フラワーセンターでは、ロウバイも1月中から見ごろを迎える花の 1つ。
いわき市フラワーセンターのロウバイが咲き始めました!
— いわき市総合観光案内所 (@kankouiwaki) January 10, 2021
バラ園のそばに植樹されており、冬晴れの空に黄色の花びらが映え、ふくよかな甘い香りがあたりに漂います。
コロナ禍でなかなか外出が難しい時期ですが、画像でひと足早い春をお楽しみください。#いわき市 #空ネット #観光地エア散歩 #ロウバイ pic.twitter.com/v7zOlWupGp
ちなみに、ロウバイもフクジュソウと同様に黄色ですが、これは偶然ではないかもしれません。
というのも、早春に咲く花には、黄色い花が多いと言われています。
さきほどから出てきているフクジュソウやロウバイの他に、スイセンも黄色い種類がありますし、また東北ではまだまだ咲きませんが菜の花やミモザも黄色です。

これは一説には、虫を呼び寄せるためとされています。
こういった花は、虫に集まってきてもらって、花粉を運んでもらわないと、子孫を残すことができません。
今週のお題でもある「花粉」は、植物にとっては大事なキーワード。
早春に活動を活発化させるハエやアブなどの仲間の虫は、黄色い色に敏感だと考えられていて、この時期に咲く花に黄色が多いのは、植物たちの生き残りをかけた戦略かもしれないのです。
同じく花粉を虫に運んでもらおうと策略を練っている花に、マンサクがあります。
寒さに強い植物で、春先に他の花に先駆けて「まず咲く」ことから「まんさく」に転じたとされ、東北ではフクジュソウやロウバイと同時期に見られます。
このマンサクの花、咲いている期間がかなり長いという特徴があるですが、それは、まだ虫の少ないこの時期でもなんとか虫に出会う確率を上げるために開花期間を長引かせているのだと考えられているのです。
植物たちが進化の過程で身につけた様々な知恵は、知れば知るほど興味をそそられるものばかりです。
なお、冒頭で写真を紹介したいわき市は、東北でもっとも早く桜が咲く場所でもあります。
みちのくに春を呼び込む一番乗りの桜。
また後日このブログでご紹介します!