毎日お酒の記事ばかり書くつもりではないのですが、先日カテゴリーを修正した後「お酒」カテゴリーのアクセス数がびっくりするくらい多かったので、ご期待に応えるべく今日も東北の美味しいお酒をご紹介します。
福島県の代表的なお酒の一つ「国権(こっけん)」です。
蔵元の社名も銘柄と同じく「国権酒造株式会社」で、福島県内では一般的なスーパーから駅のお土産屋さんまであちこちで国権のお酒を目にします。
お米の旨みをしっかり感じる"折り目正しい日本酒"という感じのお酒で、あまり好みが分かれない感じの味わいです。
同じ銘柄に純米酒、純米吟醸、純米大吟醸などがあり、さらに生酒や生貯蔵酒や樽酒など細かく分類されています。
コクのある味わいのものからフレッシュで軽やかな口当たりのものまでありますが、日本酒が好きな人に安心しておすすめできるものばかりです。
国権酒造のある福島県南会津町(みなみあいづまち)は、会津地方の中でも特に山深い「奥会津(おくあいづ)」と呼ばれる地域にあります。
2万人に満たない人口の南会津町に4つもスキー場があることからもわかるように、文字通りの豪雪地帯。
また、群馬や栃木などの県境に広がる尾瀬国立公園にも近く、現代の日本では失われつつあるブナの原生林が残っています。
手つかずの原生林に源流を持つ清らかな水が会津の酒造りを支えていて、会津地方には国権の他にも、「飛露喜」で知られる廣木酒造や「冩樂」を醸す宮泉銘醸など有名な蔵元が多く存在します。
国権酒造はもともと江戸時代から細井醸造本舗という名前で「南光」や「亀の井」といった銘柄のお酒を造っていたそうですが、明治10年(1877年)から今の社名になりました(代表取締役は今も細井さんというお名前の方なので、代々受け継がれているようです)。
「国権」という名前は、当時細井家に逗留していた辻説法の僧侶が付けたとのことで、正確な由来はわかっていませんが、明治10年と言えば富国強兵・殖産興業の時代。
新しい時代を生き抜くための力強い名前を付けたのもうなずけます。
福島県はもともと全国新酒鑑評会での金賞受賞数が最も多い県ですが、その中でも県内有数の受賞数を誇る国権酒造。
県独自に開発した酒米や酵母もあり、国権酒造でもそういった新しいものに積極的に挑戦しています。
そんな国権酒造の商品はネットでも見ることできます(注文は電話)。
季節ごとの限定品も多いので、ぜひ定番のお酒も今しか飲めないお酒もお試しください!