このところお酒の記事ばかり書いていてまるで私が飲んべぇのようですが(いや実際そうなのかも…?)、「お酒」カテゴリーの記事充実のために今日もご紹介してまいります!
(お酒の記事が溜まってきたら、次は温泉とスイーツを書こうかな…)
今回の主役は、日本酒に詳しくなくても知っている人が多いほど知名度が高い「南部美人」。
かつての地名「南部」を冠し、淡麗できれいな酒の味を「美人」にたとえた銘柄名は、そのまま蔵元の社名でもあります。
知名度を裏切らないその美味しさを支えるのは、「米」と「水」のこだわりです。
日本酒に使うお米と言えば「山田錦」が主流ですが、「南部美人」に使われているのは岩手県で開発されたオリジナルの酒米「吟ぎんが」と「ぎんおとめ」。
「吟ぎんが」は吟醸酒、「ぎんおとめ」は純米酒と本醸造酒に使われ、そこへ2012年からは大吟醸専用の「結の香」も加わりました。
中でも「ぎんおとめ」は岩手県の北部でのみ栽培されていて、地元・岩手県二戸市(にのへし)金田一(きんだいち)の農業法人で契約栽培しています。
「金田一う米(きんだいちうまい)」と銘打ったこの地域のお米は普通の食用米も美味しくて、私も以前近くの温泉(座敷童の宿参照)に泊まった際にその味に惚れて、お土産としてお米を買って帰ったほどです。
一方のお水は、井戸水を使っています。
それもただの井戸水ではなくて、折爪馬仙峡(おりづめばせんきょう)の伏流水です。
東北に住んだことのある人にとっては単に「馬仙峡」と言った方が通りがよいでしょうか。
紅葉の名所で、毎年秋にはニュースや新聞で色づきの具合が報じられ、県内外から多くの人が訪れます。
この馬仙峡と近くの折爪岳を合わせて「折爪馬仙峡県立自然公園」に指定されていて、険しく美しい峡谷に由来するカルシウムやリンを適度に含んだ伏流水が、「南部美人」をつくる水となっています。
美味しいお米と美味しい水を使って、日本三大杜氏に数えられる「南部杜氏」が醸すお酒が、美味しくないわけがありません。
明治35年(1902年)から100年以上も酒造りをしていることもあって、今や単に「南部美人」と言ってもかなり種類が多く、一概に「こういう味のお酒です」とは言いづらいですが、平均的な精米歩合が高く、最低でも70%以上はお米を磨いているので(大吟醸は35%以上)、ふわっとした香りにすっきりした後味のものが多くなっています。
「南部美人」は一般的なスーパーでも手に入りますが、流通量が多いのはやはり大衆酒と言いますかリーズナブルな種類が中心なので、「南部美人」らしさを味わうには信濃屋などの専門店に行くか、お取り寄せがおすすめです。
ちなみに、さすが年間5億円売り上げる(!)会社なだけあって、蔵元直送ネットショップがかなり充実しています。
また、今回は日本酒「南部美人」をご紹介するための記事なので触れてきませんでしたが、2008年にリキュール製造免許を取得してから、糖類無添加の梅酒も製造していて(しかも特許を取っています!)、最近だと糖類無添加のゆずレモン酒なんていうのも出ています。
リキュールも期待を裏切らない美味しさで本当におすすめなので、また別の機会にご紹介します!