みちなるみちのく

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五感+心で造って感じる日本酒「六根」(青森・弘前)

青森の日本酒と言えば田酒(でんしゅ)豊盃(ほうはい)がよく知られていますが、豊盃の蔵元と同じ弘前市に、より古くからある蔵元が醸すお酒が、今回の主役「六根(ろっこん)」です。

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六根タイガーアイ。蔵オリジナル酵母と、青森県産酒米「華吹雪」を100%使用した無濾過の生酒。

六根とは、五感(五根)と心をあわせたものを表す仏教の言葉で、「心で造って心で感じる酒」という思いを込めてつけれた名前。

蔵元は松緑(まつみどり)酒造(2019年に齋藤酒造から社名変更)といって、江戸時代から酒母(アルコールを生成するための酵母の培養に必要なもの)造りを生業としてきた老舗です。

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明治37年(1904年)には日本酒製造に事業転換し、以来地元・津軽で長く愛される「松緑」「麗峰」といった銘柄の酒を造ってきました。

前者の「松緑」は蔵元の敷地内に植えられた立派な松の木に由来し、後者の「麗峰」は「美しい山」という意味ですが、これは津軽富士として地元で愛される岩木山(いわきさん)のこと。

岩木山の伏流水は軟らかいのが特徴で、松緑酒造の酒造りにも大事な役割を果たしています。

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弘前市は岩木山の懐に抱かれるように位置する平野の中にある。標高1625メートルの山頂付近には初夏でも雪が残る。

その松緑酒造の銘柄の中でも比較的新しいのが、今回紹介する「六根」

ひとくちに「六根」といっても大吟醸も吟醸もあって色々なのですが、私が飲んだことがあるのはそのうちの「タイガーアイ」と呼ばれる純米吟醸・無濾過生酒です。

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色はほぼ透明だけど微妙に黄色がかっている「六根タイガーアイ」。

無濾過の日本酒は、醪(もろみ)を絞ったあとに濾過の工程を経ていないもので、全体的にコクのあって、ちょっと重みのある味わいのものが多いですが、「六根」のタイガーアイは思いのほかすっきりした味わいでした。

もともと「六根」がやや淡麗な味なので、うまく調和が取れている感じです。

そして、生酒ならではの華やかな香りみずみずしさ

古い伝統を持つ蔵元の、新しい風を感じるお酒です。

ちなみにタイガーアイには他にルビーやサファイア、ダイヤモンド、翡翠など種類があって、たとえばルビーは少し甘口になっているなど、それぞれ味わいが違います。

生酒は冷蔵状態で輸送する必要があるのですが、松緑酒造のオンラインショップは最近クール便の対応ができるようになったそうで、生酒もネットで買えるようになっています。

ちなみに松緑酒造の銘柄にはほかに「刑事(デカ)」というのもあって、

matsumidorideka.shop-pro.jp

私はまだいただいたことがないのですが、とても気になっているので手に入ったらまた記事を書きたいと思います!