青森県の地名の中でもよく知られているものの一つに「奥入瀬(おいらせ)」があり、行ったことのない人でも「なんだかきれいな水と緑がありそうなところ」という印象を持っているかもしれません。
天然記念物であるとともに十和田八幡平国立公園の一部としても指定され、最近では星野リゾートも有名な奥入瀬渓流と同じ、奥入瀬川水系の水を使った日本酒が、今日の主人公の「彩北」です。
造っているのは、青森県おいらせ町にある桃川(ももかわ)株式会社。
会社としての形は時代とともに移り変わっていますが、この地で江戸時代から酒造りをしている蔵元です。
三大杜氏に数えられる南部杜氏が醸す酒には、奥入瀬川水系の地下水を250メートルの深さから汲み上げた水が使われています。
今年2021年の南部杜氏自醸清酒鑑評会では、純米の部で第一等の優等賞を獲得し、地元でも、そして全国的にも評価されている蔵元です。
もっとも商品の種類が多いのは社名と同じ「桃川」という銘柄で、ほかにも青森県内のコンビニやお土産屋さんでよく見る「ねぶたカップ」なども造っていますが、今回ご紹介するのは、都内の酒屋さんでも見かけることのある「彩北」。
純米大吟醸ですが、よくある大吟醸のようにキレッキレな感じではなくて、ふわんと優しい口当たり。
青森県のオリジナル品種である「まっしぐら」というお米が使われているのですが、純米らしく芳しい香りのするお酒です。
大吟醸らしい大吟醸が好きな方にはちょっと「邪道」と思われるかもしれませんが、優しい感じの日本酒が好きな方や、普段からそんなに日本酒を飲み慣れていないけど色々飲んでみたい!という方におすすめです。
ちなみにこの彩北は一部の酒店でのみ扱っているようですが、一番有名な銘柄である「桃川」はオンラインショップで買うことができます。
オンラインショップには青森らしいりんごのリキュールもあり、HPによると海外のコストコでかなり人気があるようです。
伝統を引き継ぐ南部杜氏の腕と、澄み切った奥入瀬の水で造られるお酒、ぜひご賞味ください!