「おうち時間」とか「おうちごはん」という言葉が普通に使われるようになってかなりの歳月が経った気がしますが、今週のお題「おうち時間2021」に合わせて今日お送りするのは、おうちごはんをさりげなくグレードアップしてくれる名脇役、青森県産ニンニクです。
青森のニンニクって、聞いたことがある気はするけど、何がそんなに良いんだっけ…?という方が多いかと思います。
青森でニンニクが美味しくなる秘訣は、厳しい寒さにあります。
ニンニクは秋に植え付けをして春に収穫する農作物ですが、青森で育てられるニンニクは収穫前の数か月間、雪の下の厳しい寒さに耐え続けます。
寒さにあてられたニンニクは糖分を蓄え、糖度の高いニンニクに。
もちろん甘くなるわけではなくちゃんとニンニクの味がするのですが、それでも収穫したものを生でかじると「あ、ちょっと甘味を感じるかも!」という人が多いとのこと(ちなみに、すり下ろすとそもそもニンニクは化学反応で辛くなるので、これは畑でそのまま食べた時の話です!)。
そして、通常より糖度が高いことによって、風味豊かで旨みの濃いニンニクになるというわけです。
青森県では「福地ホワイト」の原産地である南部町(ブランド名の由来となった福地という地名が町内に残っています)や、なんとニンニクが町のゆるキャラになっている田子町(たっこまち)などで生産が盛ん。
ちなみに田子町の公式ホームページはトップのバナーにニンニクのゆるキャラと本物のニンニクの写真が掲載されているという力の入りようですが、
「たっこ王子」という名前のこのゆるキャラは、ゆるキャラグランプリで224位だそうです。
なんともコメントしがたい順位ですが、とにかく全力でニンニクを推している気持ちは伝わってきます。
青森県内にはニンニクの在来種が複数あり、特産品にするため1970年代から組織的な生産が行われ始めましたが、「寒いから簡単においしくなる」というわけではなく、当初は栽培に苦労した農家も多かったようです。
1990年代にはようやく全国に売り出せる品質のものが多く育つようになり、今では国産ニンニクの約8割を占めます。
といっても、皆さんのおうちにあるニンニクは、そもそも青森県産どころか国産ではなく、輸入品がほとんどではないでしょうか。
確かに値段が何倍も違うので、スーパーで買うとき自然と輸入品を選んでしまうと思うのですが、青森県産のものは1つ1つがかなり大きいし、前述のように風味もよいので、「ここぞ」というときには買って損はないと思います。
シンプルなパスタを作るときにもおすすめですし、休日にちょっと豪華な晩ご飯を作る時にも縁の下の力持ちになってくれます。
青森の厳しい寒さを耐え抜いて、おうち時間をグレードアップしてくれるニンニク。
「ここぞ」というときにぜひ、使ってみてください!