明日5月26日は私の妹の誕生日…という話ではなくて、日本で3年ぶりの皆既月食が見られます。
しかも今回は、一年で最も月が大きく見える「スーパームーン」に重なる皆既月食です。
何時に見えるの?天気は大丈夫…?っていうか月食ってなんで月が消えずに赤くなっているんだっけ…?と、様々な疑問が浮かぶ人もいると思いますので、今日はわかりやすく解説していきます!
まずは気になる月食の時間
今回、月食が始まるのは明日5月26日の18時44分。
この時点ではまだ、月の一部が欠ける「部分食」です。
ちなみに東京の場合は、月の出、つまり地平線から月が姿を現す時刻が18時37分なので、月が出てきてから欠け始めることになりますが、西日本では月の出時刻が遅く、月が現れた時点ですでに欠けている「月出帯食(げっしゅつたいしょく)」となる地域もあります。
そして、部分食開始から約1時間半後、20時9分になると、いよいよ皆既食が始まります。
皆既食とは、あとで説明するように、月が"赤黒く見える"状態です。
上の図のように、月はこのとき南東の方角にあります。
皆既食は20時28分に終わり、その後21時52分には部分食も終了します。
見られる地域は
明日26日、月食が見られる18時頃~21時頃の時間帯は、日本の広い範囲で晴れる見込みです。
詳しく見ていくと、九州・四国と奄美地方は曇りや雨のところが多いですが、そのほかは晴れか曇りの予想となっています。
東日本~北日本で曇りの予想のところについては、完全に雲に覆われるわけではなく雲に切れ間がありそうなので、一時的に月が雲で隠れても、時間を置いてまた空を見上げると、チャンスがありそうです。
どうして月が「消えない」?
「皆既日食」の場合は太陽が「消える」のに、なぜ「皆既月食」だと月が消えないのか。
その理由は、「地球に大気があるから」です。
そもそも月食が起きるのは、通常は太陽の光に照らされている月が、地球の影に入ってしまって、照らされなくなるためです。
つまり、月が輝くための太陽光を、地球が邪魔している状態です。
しかし、地球の周りに大気があることで、地球の輪郭に近いところを通る太陽光が、大気によって屈折されて、一部ではありますが月に届いて照らします。
いわば、地球大気がレンズのような役割を果たすのです。
これが、皆既食の時に月が「消えない」しくみです。
ちなみに、太陽光というのはもともと赤から紫までの七色の光が混ざった光ですが、地球大気の中を通過するとき、青っぽい光から優先的に散乱されてしまい、最終的に届くのは赤っぽい光が中心になります。
(これは、光の波長の違いによる性質ですが、難しい話なのでここでは割愛します。)
そのため、皆既食の間の月は、通常と同じ色ではなく、赤っぽく見えるのです。
(なお、これは朝日や夕日が赤く見えるのと同じ理由なので、興味がある人は「レイリー散乱」をキーワードに調べてみてください。)
皆既食の間の月の色は、毎回同じではなく、空気中のチリの量によって、オレンジに近い色のこともあれば、かなり黒っぽいこともあります。
なので、過去に皆既月食を見たことがあるという人でも、ぜひまた今回も観測してみて、違いを楽しんでください!
スーパームーンかつ皆既月食は24年ぶり
日本で皆既月食が見られるのは3年ぶりですが、皆既月食がスーパームーンに重なるのは24年ぶりのこと。
スーパームーンというのは厳密な科学用語ではありませんが、一年で一番月が大きく見える満月のことです。
今回、21時52分に月食が終了したあと、月は文字通り満月に戻ります。
月食の観測を楽しんだあと、あるいは、今回はお仕事などで月食の時間帯に空を見ることができない場合も、ぜひ今年一番大きい満月を見上げてみてください!